サティさんはかわりもの

M.T. Anderson - BL出版 価格 ¥ 1,470
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サティさんはかわりもの

M.T. Anderson
BL出版

価格(new/used): 1,470 円 / 1,050 円 より
発売日: (2004-09) アマゾン売上ランキング: 266147 位
大型本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

お伽の国の作曲家。
この絵本を読んでから、サティというよりは、「サティさん」と呼びたくなってしました。凄くサティさんが身近に感じられるようになりました。音楽が好きでたまらないサティさんは、これまでにない新しい音楽を作ることだけに夢中です。そこが、お伽の国に住んでいる人のように思えます。自分の求める音楽を聴いていたサティさん。その一端が、今私たちが耳にしている彼の残してくれた音楽なのでしょう。サティさんの覗いていた世界を少し見ることができた思いです。絵本だからこその味わいだと思います。
素敵な絵本
孤高の天才作曲家、という形容がもっともぴったり来るでしょうか。多くの音楽家に多大なる影響を与えながら、生涯を小さなアパートの一室で貧乏なくらしを続けたサティ。この絵本を読むだけでも、彼の曲が聴きたくてたまらなくなる、それほど人を惹き付けてやまない彼の人生であり、そしてその彼の魅力を伝えるに十分な内容の絵本だと思います。お薦めです。
まともなかわりもの
サティもまた多くの芸術家の例に漏れず、生きている間は貧乏だったようである。狭いアパートの部屋には足の踏み場もないほど荷物があったようで、僕の友人の部屋を連想させる。彼はそこで誰にも評価されることなく作曲に勤しんだ。
 しかしサティが偉いのは、39歳にもなって音楽学校に行き直したことである。若い頃は彼は「黒猫亭」に入り浸り、変人としての人生を謳歌した。しかし既成概念を破るには既成概念を知らなければならないことを痛感したようで、39歳で音楽の勉強をし直したのである。そして服装も紳士風に改めた。服装などの外見や直接的な奇行でアピールするのではなく、音楽のみで自分を表現する、間接的な奇行に進化したのである。ルネ・マグリットに通じる芸術的態度である。その後ピカソらとバレエ『パラード』を上演した。もちろん、当時はぼろくそにコケにされたようであるが。
 絵本のラストには思わず泣いてしまった。彼の葬儀が行われているあいだ、同じ教会では結婚式も行われていたようである。極端に悲惨でもなければ、極端に幸福なのでもない。両方の要素が入り混じった、サティらしい人生の結末。どちらか一方などという単純さは、現実には存在しない。夢を追い求めるサティだからこそ、このリアルな両義性が音楽にも人生にも表現されているのである。
 サティがある楽譜に書いた註には、僕に彼のすべてを肯定させずにはおかない言葉がある。この言葉を知っただけでも、この絵本を買った意味があった。もちろん、それどころではない拍手を、M・T・アンダーソン、ぺトラ・サマーズ、今江祥智、遠藤育枝の諸氏に贈りたいが。
 
 “いつになったらすべてを説明するという習慣をやめるのでしょうかね  エリック・サティ”