二つのコリア―国際政治の中の朝鮮半島

Don Oberdorfer - 共同通信社 価格 ¥ 2,835
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二つのコリア―国際政治の中の朝鮮半島

Don Oberdorfer
共同通信社

価格(new/used): 2,835 円 / 2,000 円 より
発売日: (2002-02) アマゾン売上ランキング: 303931 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

朝鮮半島問題を知るのに最適な書籍
 しばらく絶版状態が続いていたが、2007年に二刷が出た。2002年出版という事で最近の情勢を反映していないと考える人もいると思うが、現在の情勢に繋がり、今の事も良く分かるようになる一冊となっている。

 問題を国際政治に絞り必要な部分だけを上手くまとめている。文中や巻末には登場人物の説明が挿入されていて、前提知識がなくとも読める。記述は臨場感あふれ、時代時代の米国の意思決定機関にいるような錯覚さえ覚えた。500ページ強の書籍であるが、あっという間に読み終えた。もちろん物足りなさも覚えるかもしれない。それは主に北朝鮮側の資料がない事に起因するであろう。また、日本については、ほとんど触れられていない。

 2007年現在の日本及び米国の論調では、米国の対北政策には不満であるという。しかしながら、うんざりする枕言葉に付き合うことになろうが、コーヒーショップで対話しようが、担当者同士が真剣に問題に向き合い解決の糸口を探すときのみ、情勢が好転するのが本書では良く分かる。それは米国において朝鮮半島の専門家が輩出されてきた事に無関係ではない(著者も過去、専門家がほとんどいなかったため好機を逸した事について言及している)。

 最後に、「商品の説明」に「訳文にぎこちない箇所があるのは気になる。」とあるが問題ないレベルである事を付け加えておく。
オーバードーファーの温かい眼差し
 朝鮮戦争以降五十年の韓半島を広範な証言と取材によって裏付けた大著。南北に対する変な感情や奇異なものでも見るように北朝鮮からの少ない情報に接している私たちに、アメリカのジャーナリストらしい表現で正当な現代史に関する知識を提供してくれている、貴重な教科書と言っていい。南の朴時代から全斗煥、盧泰愚を経て金泳三、金大中時代へ復興と民主化が確実に自覚的に前進していったことと並行して、北では金日成の個人崇拝、軍事独裁国家がより強固に民族主義的に異常な熱気を帯びて冷戦後の世界の躍動に押し潰されていく姿が縦横に休みなく展開される。これだけ内容の広範で濃厚な書物は他の現代史関連のものでもあまりないだろう。
 今後の半島情勢を考える時、一方で遅ればせながら半島の統一(半島の人々にとっては祖国の統一)を演出する責務を意識させられながらも、特に北で起こった取り返しの付かない惨状の数々については改めて途方に暮れるしかないだろう。そう言って悪ければ、少なくとも北の「国家」に対するアメリカが持つ軍事オプションは依願してでも覚悟せねば、抑圧され続けてきた人たちは救われないのではないか?本書を読み切るには覚悟が必要だと私は思う。
 これを書いた後に絶版になったようなので、再版ないし文庫化を希望する。
生き生きとした歴史記述とはこれをいう
この本は一見分厚くて敬遠しがちだろう。しかし、一度この本を手にとって欲しい。朝鮮戦争の記述から始まり、90年代の半島の核危機まで叙述を進める。太い本だが読み始めたらとまらない。

ありきたりの、表面的な半島情勢を論じた本は幾多と出版されている。しかし、この本は少し古いとはいえ、それらの本に余裕で優っている。半島を国際関係論(IR)の面から見たい人にとっては、歴史の記述は相手に出来ず物足りないかもしれない。しかし、それは本来の望ましい態度ではないだろう。本来優れた歴史記述と理論とは相互依存的なものだからだ。その点、同著は恐らく最高の歴史書に違いない。
ともあれ、冷静に現代の半島情勢を考えたい人は、一度この本をとってみることをお勧めする。浅はかに「今」だけを見て、半島情勢を論じるのはどれだけ淋しいものか実感するだろう。