エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集

- エンターブレイン 価格 ¥ 1,470
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エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集


エンターブレイン

価格(new/used): 1,470 円 / 555 円 より
発売日: (2007-05-31) アマゾン売上ランキング: 79265 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 4件

エロマンガ・・・・
エロマンガ島でエロマンガを読もう!
そんな無謀な企画がすんなり通ってしまい、
エロマンガ島を目指す三人。
ゲーム攻略を主にする雑誌の編集者佐藤と久保田。
ゲーム会社H社の井沢の代わりにやってきたいわくありげな日置。

実際にエロマンガ島に行った三人は
最初の目的も忘れかけるほど、
エロマンガ島の自然や人に癒されながら日々を過ごす。
もちろん、最終目的であるエロマンガはしっかり読むんだけど。

ただエロマンガを読むという行動ではなく
そこで癒される三人の姿が面白おかしく、そして時に切ない。

日置については最後の短編「青色LED」にて描かれているが、
彼もまた切なく哀しい。

他の短編もまぁ面白いけど、
表題作と「青色LED」だけでも十分だったような気がする。

エロマンガ島は実在するわけだけど、
悲しい歴史のある島のようで、
しかし、それを感じさせないくらいに
自然も人も見知らぬ人に優しい、そんな感じがした。
まぁ、恐ろしげなところもあるけれど・・・。
“長嶋有ファンのための作品集”の趣き
 異色作品集と銘打っているだけあって、長嶋有のメインストリーム、マスイメージからはちょっと外れた作品が並んでいる。はじめて読むんなら、やっぱ「サイドカーに犬」「猛スピードで母は」「夕子ちゃんの近道」がいいんじゃないだろうか。「エロマンガ島の三人」と続編の書き下ろし「青色LED」の間に、習作に近いSF2編と“濡れない”官能小説が一編。どっちかっつーと長嶋有ファンのための作品集の趣きだ。
 発見としては、“長嶋有の小説ににフジモトマサルのイラストは合う”ってのと、ネタとしては、「ケージ、アンプル、箱」のなかの「仰向けに寝たときに、かかとから先を伸ばした状態の人と、垂直に立つ状態の人といる」ってのが面白かった。
 フレーズとしては、
 「そうか。私は「典型」が嫌なんだ」
 「相槌は「いいかも」の割に、それをやらないし、そこにいかないし、しないんだ」なんてのが、長嶋有っぽくて気に入った。
 それと、
 「「うーん、まあまあかな」を選んだ感じ」(『ときメモ』の選択肢)なんていう、ゲームやってた人にしかわかんないフレーズが随所に散りばめられてて、(やってた人間には)ニュアンス伝わる。
 いっとう共感したのは、エロマンガ島の幼い少女たちにエロマンガを見せちゃいけない!!ってくだりでの、
 「日本のために。大げさでなく、自分が「日本」を代表しているような使命感が急に湧き上がる」って感情。
 日ごろは一切、「国」なんて意識しないけど、よそ様の国の人にだけは嫌われたくない、嫌われちゃいけないって場面でだけは、モーレツに「国」ってのを意識するんだよね、俺も。
気だるい島の風景
エロマンガ島でエロマンガを読もうという下らない企画.その段階でこの物語の行く末を案じてしまうのだが,実際の展開は,おやと思い,何でと疑問が湧き,そして暖かい気持ちになる.それでも,モヤモヤした気持ちで作品集を読み進むと,最後の「青色LED」で,ははあと納得した.
その南の島の風と蒸し暑さが感じられるような描写に,何か正常な判断を失わせられている気がする.
ただ,主人公の彼女の挿話は,どうもその存在意義が明確ではない.
スタイルにとらわれない面白さと深み
 まさかの面白さ。表題作は基本的にユーモア小説だが、じわじわ忍び寄ってくる不安と寂しさ。生きることは孤独だ。作者自身、この一編を捨てがたかったと見えて、ラストにストーリーが呼応する短編を書き下ろしている。
 不自然な説明をしない各短編が、存在感を持って輝いている。