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生きがいについて (神谷美恵子コレクション)
柳田 邦男 みすず書房
価格(new/used):
1,680 円 /
1,000 円 より
発売日:
(2004-10-06)
アマゾン売上ランキング:
11065 位 単行本 / 在庫あり。 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0
/ 総数: 13件
生きがい喪失の苦悩、そして、人はどう生きがいを蘇生させるのか、苦悩の際手探りできる思索材料が盛りだくさんある「どういうひとが一番生きがいを感じる人種であろうか。自己の生存目標をはっきり自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいでいるひと−いいかえれば使命感に生きるひとではないであろうか。この使命感の持主は、世のなかのあちこちに、むしろ人目につかないところに多くひそんでいる。肩書や地位のゆえに大きく浮かびあがるひとよりも、そうした無名のひとびとの存在こそ世のなかのもろもろの事業や活動に生きた内容を与え、ひとを支える力となっていると思われる。」(36ページ)
この引用は当該著書の一端であるが、ここにも著者のひとを見るやさしい姿勢が反映されており、著書全体を通じて感じる。生き甲斐に満たされて生きていければ幸せだが、人生とはままならないものだ。生きがいを喪失させる苦難(「挫折」と言えるか)は、受験、恋愛、結婚、子供、就職、会社生活、出世、病気、老化等至る所にごく普通に落とし穴のように待ち構えている。挫折が生む苦悩、それは「6 生きがい喪失者の心の世界」(113ページ)で展開される。私は、この「生きがい喪失者の心の世界」から、「7 新しい生きがいを求めて」(141ページ)、「8 新しい生きがいの発見」(179ページ)、「9 精神的な生きがい」(213ページ)へと繋がる展開に随分と救われた。「癒し」となるようなやさしさを頂いた。かくゆう私自身が、今少なからず「挫折」意識にうち拉げそうになりながら生きているからだ。一読したものの、再読してみたいと思う。また、「挫折」に苦悩する時には、心を静め、思索の材料を求めるに適した著書であると思う。なお、当該著書の文体は明瞭にして簡潔、男性の著者かとふと思ってしまう。一方、内容は、その木目の細かさ、やさしさ、事の運びの綿密さから女性の包容力を思わせる。
読み返せば、そのたびに味が出てくる本です一度通読して、困ったときに読む本です。
どこかに現状を切り開くキーが書かれていると思います。
年間何冊も本を書きちらすような著述者にはない、確かな知性に裏付けられた内容と、
しっかりとした文体には好感を持てます。
何年も前に出版された本であり、専門的には違和感のある部分(心理学も進化していますから)もあります。が、それを上回る魅力が本書にはあります。
是非、ご一読を
「生きがい」について考える基本的名著 「神谷美恵子コレクション」として新たな装丁で出された本です。日本が高度経済成長を経験し、わりと物質的・経済的に豊かになり、少し余裕が出てきた頃に書かれたました。内容については有名なので、詳しく触れる必要はないでしょう。
著者は「生きがい」という言葉のあいまいさと日本語的な余韻を含んだ、この言葉の翻訳のないことに触れることから叙述を始めています。そして、生きがいを求める心、生きがいの対象、生きがいを奪い去るもの、また生きがい喪失から新たな生きがいを見出すまでの過程を、自己を抑制した、しかし暖かな文章で綴っています。
体系的な構成の本ですが、無機的な研究書ではなく、著者が接した愛生園の人との交流が全体を貫いており、またわかりやすく深みのある文章で書かれています。
21世紀の現代においても、なお示唆に読む本、いや預言的な本であると言えます。
読む資格があるかどうか未だに分かりませんが巻末の坪内祐三氏の“むしろ私は生きがいについて、というタイトルの本に安易に手を出すヤワな読者が嫌いだ”という強烈な書評に戸惑わされます。 読んでみてわかりましたが、これはある意味で的を得た論評です。 なぜならこの本の中で神谷美恵子女史は“生きがいとは何か”という答えを読者に与えてはくれないからです。 これはむしろ当然のことで、人に教えられた生きがいなど、所詮生きがいとはいえないからでしょう。
当然のことですが、精神学的な分析や叱咤激励など、“生きがい”というものに苦しめられている人にとってはなんの助けにもなりません。 むしろ腹立たしいだけでしょう。 神谷氏は医師であり、不条理なまでに“生きがい”を剥奪されてしまったハンセン氏病患者とともに生きた人です。 そしてこの本の中で彼女は、古今東西の様々な“生きがいを失った人達”の文章や生涯を挙げて、“生きがい”というものの多様性と本質に迫ろうとしています。 もちろん“これが生きがいだ!”と定義できるものなどは見つけられないのですが、その、生きがいを失った人達ととことん向き合い、話を聴こうとする態度そのものに名状しがたい感銘を受けてしまうのです。 “生きがい”が人それぞれのものである以上、他人がそれを与えたり、失ったそれを取り返してあげることなど出来はしません。 しかし神谷氏のこうした生き方そのもの以外に、人に“生きがいを持とう、充実した生を送ろう”と思わせるものもないだろうと思います。 見事な態度であり、立派な本だと思います。 是非ご一読を。
何回も読み返したい神谷美恵子の優しい視点からつづられた名著。
人間が生きがいを失って、そこから以下に回復していくのか。
ハンセン病の隔離施設であった愛生園での活動から書かれている。
どんなことでもその人が生きがいとすれば、途端に自分の周りの世界が輝きだす。
そのおかげで明日の命も輝く。
本当に何回も読み返したい1冊である。
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