谷中、花と墓地

山口 徹三 - みすず書房 価格 ¥ 2,520
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谷中、花と墓地

山口 徹三
みすず書房

価格(new/used): 2,520 円 / 3,850 円 より
発売日: (2008-05) アマゾン売上ランキング: 101345 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件

滋味で、コクのある辛口日本酒の熱燗の楽しみ方
川端康成がノーベル文学賞を受賞できた恩人ともいえる日本文学研究家にして翻訳家サイデンスティッカーさんが余技として書き記した下町商店街の機関誌「うえの」に掲載された珠玉のエッセイを収める。生前に隣組のように親しかった人々が編集していたこともあり、著者の隠れた素顔と日本文化に関する率直で辛口の批判が正鵠を射ていて心地良い。日本文化を愛するがゆえに、批判の表現にはかなり手心が加えられているのは、学識による謙虚なスタンスであろう。江戸っ子にも比せられた著者の青竹を割ったような人柄といとおしみむように日本文化を見つめあり方が、日本文化の担い手である読者にはどう読まれるか、そこが問題。その反応をも予測して執筆されている。また本書を編集された商店街の皆さんもサイデンさんと同じ世代と書かれている、編集には美しい人情が相応しいことも証明した実に稀なエッセイ集。滋味で、コクのある辛口日本酒の熱燗を楽しんでいる感じが最高。文化論を超えた生活論なのである。襟を正して、背筋を伸ばしなさい、と著者と編集が行間で嗜める。
日本のすばらしい文化、風景を改めて考え直すきっかけになる一冊です
数々の日本文学を英訳したことで知られるサイデンステッカー氏が、都内での暮らしの中で感じた日本の文化等を綴ったエッセイ集。

特にテーマを決めず思いつくままに書かれているのだが、アメリカ生まれの著者が日本語で記したという点も特筆すべきではなかろうか。
いくら日本語が堪能とはいえ、日本で生まれ育っていない人間が、こんなに難しい言葉を知っているのか、何と豊かな表現ができるのか、と感心させられる。
例えば彼の好きな川のある風景、季節の花々、とても豊かに表現されており、その情景が目に浮かぶ。

また日本とは、日本人らしさとは、といったものも綴られているが、日本という国を理解し、日本の暮らしに溶け込んだ筆者の言葉には説得力がある。むしろ日本に生まれ育った者が忘れがちなことをあえて記しているようでさえある。
国際化とはまずは自国の文化を知り、理解することであり、日本人は特にその辺の認識が誤っている、ということをずっと言われ続けているが、その事を改めて考えさせる一冊である。
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