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心的外傷と回復 |
| Judith Lewis Herman - みすず書房 価格 ¥ 7,140 | |
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心的外傷と回復Judith Lewis Herman みすず書房 価格(new/used): 7,140 円 / 4,540 円 より 発売日: (1999-11) アマゾン売上ランキング: 14820 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 15件 日本ではバイブル、でも海外では・・・この本自体は感動的なようですが、アメリカや諸先進国では著者ハーマン陣営によるセラピー被害者が続出し、裁判沙汰になり、すでに敗訴で騒ぎは終焉したそうです。恐すぎですハーマン。この本を読む前に「危ない精神分析」(マインドハッカー達の詐術 著:八幡洋)も読んでみては?より深くハーマンを知ることができます。 虐待・トラウマ関係書物のバイブル確かに、著者のフェミニストとしての個人的な感情の昂りと、行き過ぎた憤りをところどころに感じはする。しかし、この本がすぐれた臨床体験に基づいて書かれた、最高の精神医学のテキストであることは否定できない。 女性の性的トラウマというものは、男の精神科医である自分にはあまりにも痛々しく、踏み込む時にいつも細心の注意を払わなければならない問題だ。女性である著者ゆえに、これほど価値ある臨床記録が集められたのだろう。無論それは、彼女のすぐれた人柄のなせる技でもある。境界性パーソナリティ障害は、著者が言うような慢性的虐待トラウマだけによって発症するものではないとは思うが、BPDをあえてトラウマ性障害であるとみなし、その名前に付随するスティグマを取り除くためにも、複雑性PTSDという新たな疾病名を提唱することは、少なからぬ臨床的意義があるだろう。 ロフタスらに否定されることになった虚偽記憶の問題や、トラウマ性記憶の回復と除反応の有効性など、今日的視点から見れば疑問点は確かに存在するし、現在主流になっている認知行動的な療法の欠落なども指摘できる。しかし、それは当時の時代背景を考えればいたし方ないことであり、それでこの本の価値は微塵も落ちない。それらを理由にあげて彼女を否定することは、フロイトの性理論や夢判断を非科学的と笑って、フロイトの偉大なその他の業績を否定することと同じだ。 この本の素晴らしさを語る上で忘れてはならないのは、訳者の中井の見事な翻訳だ。パトナムの「解離」も同様だが、理系の医学者にこれほど生き生きとして、時に文学的な見事な対訳が付けられる、というのはある意味驚きを通り越している。臨床医としても一流ならば、文学者としても一流というその姿は、精神科医を志す全ての人間の模範として相応しいだろう。今後も価値ある翻訳作業を日本の医学界のために続けて欲しい。 あきれる書評に一言この本の本質とまったく関係の無いあまりに低レベルの書評を見かけたので一言。まず著者のハーマンがフェミニストとしての立場を鮮明に表現していることはこの本の価値を少しも毀損するものではない。 理由 イデオロギー論の初歩をかじれば誰にでもわかることであるが、現代社会において価値自由な立場などありえない。つまりフェミニズムでなければ、保守主義やら男性優位主義やら何やら主義に本人は無自覚なまま染め上げられているだけなのであって、そのことに無自覚なタコがはっきり自覚して潔く立場表明しているハーマンをくさしているのは噴飯ものである。またハーマンを評価するにあたっては彼女のフェミニズムイデオロギーが理論構成と臨床実践において果たしている意味と機能をきちんと有機的に検証し、反論や文句があるなら彼女以上の知的凝集力と誠実な臨床実践を積み重ねてからものを申さないと、まったく評者の知的怠慢と退廃を逆証するだけである。私はフェミニストでもなんでもないが彼女の論理構成は説得的であると感じるし、臨床実践も頭の下がる思いである。なにかおかしなことを考えるのは勝手であるが、読んだこちらが恥ずかしいから公表しないでもらいたい。また本の構想が練られた時期から考えるとEMDR等の比較的新しい治療法についての記述がないのもやむをえない。そのこともこの本の価値をなんら低からしめるものではない。今後、ハーマンが改訂版を著したと仮定すると彼女の臨床態度から推察してEMDR等も治療に効果があると認められれば、治療法として紹介と評価がきちんとなされるものと私はかんがえる。 理解に最善、治療ハンドブックとしては今一の必読教科書トラウマを扱う人間の定番教科書と言われています。トラウマを受けたということを理解するには良書です。でもEMDRやTFT、自我療法などが一定の評価を受けている今日ではこの本の治療方法はちょっと役に立たない気もします。 やはり「バイブル」両極端な評価を引き出してしまうこと自体、この本の持つ力を示しているのではないかと思う。PTSDは肉体の外傷と同等の、精神・神経への外傷である。この傷を持つ者と持たない者とで評価が違うのは当然であろう。私は児童期慢性虐待経験者で、この本には「バイブル」以上の評価を与えるものである。医療機関にかからず一人で回復を目指すなかで、この本を何度も繰り返して読むことがまさに薬となっている。自己を見つめつづける覚悟を持ち、回復をこころから願う者に薦める一冊である。 |