彼氏彼女の事情 (21) (花とゆめCO...

- 白泉社 価格 ¥ 410
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彼氏彼女の事情 (21) (花とゆめCOMICS)


白泉社

価格(new/used): 410 円 / 1 円 より
発売日: (2005-08-05) アマゾン売上ランキング: -- 位
コミック / 通常4~5日以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 36件

大団円
リアリズムがないなどの批判があるが、それはあくまでコメディーでありマンガ的表現の意味で使われておりそんなに私的には気にならなかった。それよりも全体的な話の構成や、登場人物の心情の描き方は秀逸で、大団円な終わりには最後までみて損した気持ちには決してならないような気がする。
明らかに失速した作品。後半は暗い話。津田先生は長編は向いていないのが判る。
読み切りで最初に連載された短編のコメディ調の雰囲気は少女漫画にしては珍しいくらいの男性でも読みやすい漫画。
「見得」と「他者からの羨望の眼差し」だけが生き甲斐だった雪野が有馬と出会って、恋を知り愛へとステップアップしていく過程は決して平坦な道のりではなかった。
そこに周囲の友人たちの存在が加わり、当初は敵対関係だった相手でさえも「雨が降った後には」頼れる味方になった。

連載が続いていく以上、最大の山場が「有馬の過去」であろうことは連載当初から示唆されており、避けては通れない問題だったが、やはり初期のコメディ路線は影を潜めシリアスな展開の数々は正直見てて息苦しかった。
能力や個性ではどの登場人物も優れていたという漫画も珍しいが、彼らは彼女らは皆「それ以外の大切なもの」を求め、悩み、葛藤し、激しくのたうった。いつも常に前向きな気持ちを失わなかった。だからこそ全ての登場人物が大きく成長できたのだと思う。決して能力の高さだけで手に入れた幸せではない。

最終回のラストで「ああ 面白かった。疲れた-」って言って死ぬのが夢なんだという雪野のセリフ。
手に入れた幸せも永遠のものではなく、「いつか終わりが来るもの」と意識して生きていることがよく分かった。別れを恐れない強さは多くの愛を知っている故ではないかなとも思うのです。

ただ・・・成功・成功ばかりの仲間たちの人生は読んでる側には薄っペらいと感じられるのは確かだし、前半と後半の雰囲気がまるで別物なので初期の作風に惚れた多くの人をガッカリさせたことは否めまい。

津田先生は「長編」より「短編」のほうが上手い方ですね。
長編になると「初連載」というハンデを除いても「風呂敷を上手くたため切れていない」。
こういう終わり方するんだ。
ああ、こういう終わり方するんだ、という意味で、納得できました。
最近のいじめを描いた少女漫画だとかは、青年誌も真っ青の残虐さとレディコミも真っ青の扇情的な演出が氾濫していまして、リアリティを無視して過剰に悲惨なものにする傾向がありますが、まあ本作は媒体が(他にも同時期に「天使禁猟区」とかやってたにしてもあくまで)「花とゆめ」だし、読者層は夢を与えてなんぼの世代だし、このご都合主義でハリウッド映画みたいなラストが妥当なのではないでしょうか。
非凡なる存在のカタストロフィー
とても良い作品で、勉強になった。
ただ、ハッピーエンドなのにいまいちしっくりこない。
というのも最後に一堂が会した場面でもそうだが、ほぼ全ての者がといって良いほどに非凡の才能を持つ超人の集まりで、
凡人である自分自身の取り巻く環境を照らし合わせたときに、あまり親近感が湧かない、ということである。

キャリア組になれる有馬が地位や名誉、財産に興味が無いから「地方公務員から始めても良い」とか、
あんなにも簡単に割り切れるのも、およそ凡人である私には理解できない所である。
否、有馬はご両親(義父母)に極力迷惑を掛けたくない、と自身で葛藤し宮沢を捌け口に何度も語っていたのに、
それでは返って心配を掛けてしまう結果になる。
こんな厳しい資本主義社会で良くも悪くも財産に興味がない、という考え方があまりにも空空漠々としていて、
思わず「こういう所は漫画として割り切った方がわかりやすいのだろうか」と皮肉を漏らしてしまうくらいだ。
非凡な才能があるならその才能の一部だけでも活かして、親孝行をすることは頭になかったのだろうか?
嫡流の家系など気にせずに体裁を獲得したほうが、いっそ人情があるだろう。
「人間の理想や献身の心情として」ならわからなくないが、現実の辛さを一番理解している有馬が、
物語の佳境を越えてあまりにも将来のことに関してあっけらかんとしているのには唖然。

更に宮沢も有馬もあれだけ肉体的にも精神的にも闘ってきて、確かな成長があるのに結婚の前に既成事実を作ってしまい、
そこから派生した子どもの問題に対して、最終的には人として大切で重大な分別が出来てないことに、寂しくもありました。
ここで私事を持ち込むことではないが、それが理由で身内に何度か悶着があって辛酸を味わったほどです。

著者である津田氏は確かな才能があり、努力家だ。
印象的な言葉のキャッチボールや人間のドロドロとした歪みの表現も独特で従来の漫画家とは一線を引く所がある。

この作品をアニメで見たときは著者に影響されて、一所懸命に勉強をしようと思ったくらいだ。
しかし自分の想いや理想が遥か遠くにあるくらいに、キャラクター達が読者の追随を許さないほどに成長してしまったことに残念。
まあ最終巻って感じw
これまで、読んでくれた読者へのご褒美みたいな最終巻で、一冊丸ごと最終話みたいな感じで、初刊から読んでた人間にとっては、それがうれしかった。
まあ、各々はいかにもってかんじだが、まあ、それはそれでカレカノらしくていいのかもしれないと思った。
でも、子供産むのは大変だけどね。