マルスのキス (PIANISSIMO C...

- ポプラ社 価格 ¥ 588
home書籍CDDVDゲームソフトウェア家電キッチンおもちゃ・趣味
マルスのキス (PIANISSIMO COMICS)


ポプラ社

価格(new/used): 588 円 / 477 円 より
発売日: (2008-02) アマゾン売上ランキング: -- 位
コミック / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 4件

一冊の作品として、非常に高い完成度。
リアル寄りでエロさを感じさせる作風、肉感的な絵。
失礼ながらこの作者がここまで精神的に美しい百合話を描くとは
思っておらず、予想を遥かに上回る出来だった。

自らの小説を漫画化しているためか、細部に渡るまでストーリーが
練り込まれており、登場人物の感情の動きも自然。
ダラダラとした余計な要素も無く、また話の終わり方がさりげなくも
綺麗で、一冊の作品としての完成度が非常に高い。
おかげで読み始めたら一息に最後までページをめくり続けてしまった。

百合というとほんわかしたキレイキレイな話か、リアルでドロドロ
した話かという印象だったが、リアルでありながら美しいこの作品は
読みごたえも、読後感も抜群。お勧め。
鬼才と呼ばれるだけの事はある
これは期待通りのいい作品だった。
この作者の前作「スピードマスター」が「・・・」な感じだったので、少し心配だったのだがそれを払拭するほどの会心の作ですね。
自分で書いた小説を自らの手で漫画化するというのも、面白い試みだと思う。小説の方も読んでみたくなった。
あと表紙の絵もグッとくる。目の錯覚を利用した光の表現がうまい。
次はどんな漫画を描くのだろうか?できればフルカラーがいいなぁ(*'▽`*)
一陣の嵐のように。
この作品を何か言葉を使って表すとしたらどのような言葉がしっくりくるだろうか―
「青春」
ではなく
「青い春」
そこから連想されるものはなにか。

体も心も大人になりきれず、しかしはやく大人になりたいと心は裏腹に、焦る。
青臭い感情や怠惰、放漫、焦り、苛立ち。
他者への、そして自己への。
岸虎次郎という人物はこういうものを書かせたら本当にうまい。
ただ、そんな時期だからこそ汚されていない感情もある。
なにもかも縛られているようだが彼女等はなににも縛られてはいない。

時に青臭いと評されてしまいがちな、ただひたすら真っ直ぐな感情が、主人公たちの想いが、とてつもなく眩しかった。羨ましかった。
自分も過ごしてきたはずなのに。
いや、経験したからこそ思ってしまうことなのか。

誰もが持っている、もしくは持っていたであろう直情的な感情を揺り起こすような作品。
絶品。
そして彼女はまた一歩、ゆるやかに階段を昇ってゆく。
 独善的な身勝手さで押しつけられた過保護の檻で育った少女は成長とともにちょっぴり不自由な自由はそこそこ手に入れたけど、愛は見つけられずにいた。

 心の奥底にわだかまる想いは、ヒネクレハートな見かけススンデルタイプの仮面で武装することを自らに課すことによって取り繕われるその場しのぎな充足感を得ることで紛らわすことはできても結局、呪縛を払拭し、檻から完全解放されることはかなわない日々。

 『大人未満』というレッテルはどんなに足掻いてみたところで、時間以外の何ものも剥がしてはくれない重すぎる枷だ。

 青春という名の最も美しく輝けるはずの時代を純粋に楽しめない歪みを抱えたまま生きてきた彼女は、はたしてそのとき恋をする。

 恋は偶然が産み落とす魔法。

 相手は同級生な女の子。

 トモダチになれた喜びと、だからこそ告白できない想いの板挟み。

 時間を共有できるシアワセと、だからこそ踏み込めない雁字搦めの欲望。

 自らが撒いた種で、これほどまでに苦しむ結果になろうと、誰にも彼女を笑うことはできないはずだ。

 よごしたくないけどよごしたい。

 せいいっぱいの勇気で望んだちっぽけなレジスタンスは、自己(過去)への決別と自己(現在)との対話。

 思春期という無垢なキャンバスを、微妙すぎるステキな色で染めぬいた、著者渾身の一冊。

 ちょっぴり甘酸っぱくて、だけどホロ苦い、切実で真摯な想いが詰まりまくった物語。
同じテーマの商品を探す