競争社会をこえて―ノー・コンテストの時代...

Alfie Kohn - 法政大学出版局 価格 ¥ 5,250
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競争社会をこえて―ノー・コンテストの時代 (叢書・ウニベルシタス)

Alfie Kohn
法政大学出版局

価格(new/used): 5,250 円 / 1,800 円 より
発売日: (1994-06) アマゾン売上ランキング: 156305 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 2件

アメリカ心理学協会賞受賞作
競争それ自体についての議論と、競争および競争に打ち勝つこと(言い換えると他者
を打ち負かすこと)に高い価値をおいているアメリカ社会についての議論の二段構
成。前者については比較的あっさりめに、競争は人間の本能に根付いたものであると
いう証拠はないと論じる。メインは後者に関してで、競争がもたらすとされているメ
リットについての再検討とその悪影響について論じている。
この本を読む限りでは、個性や個人を重視しているといった点で日本の教育と対比さ
れがちなアメリカの教育は、実は他者に勝つことを目的とした上での個性・個人重
視でしかない、ということらしい。

この著者の次作は「報酬主義をこえて」だが、こっちのほうも面白い本である。
主義にまで高まった競争への批判
「アメリカは<競争>という宗教を信奉し、スポーツや勝利を好む。
反競争であるならば反アメリカとみなされる」
「週末のゲーム、教育現場における<競争>の副教材化、企業での
仕事などすべてが競争で彩られてる」
「競争によって脅迫観念化する勝利、それがアメリカ人に汚い手を
使わせる口実となっている」
と著者はいう。著者の批判に意外に多くのアメリカ人も彼に
理解を示しているらしい。

押し付けがましいアメリカナイゼーションを無批判に取り入れた
日本では、<競争>という言葉が市民権を得てしまった。
我々は<競争>をいささか軽率に支持してしまってはいないか。
年々強まる個人主義のもと、<競争>が肥大化し、表裏一体の概念で
あろう<自己責任>をも肥大させているのではないか。
そろそろこの<競争>と<自己責任>という現代神話に本質的懐疑を
寄せる時期なのかもしれない。

本書の内容は初等教育について多く割かれているが、しかし競争と
効率性という経済思想が席巻する今の日本を考えるにあたって
考えさせられるところは多いと思う。