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異形の王権 (平凡社ライブラリー) |
| - 平凡社 価格 ¥ 999 | |
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異形の王権 (平凡社ライブラリー)平凡社 価格(new/used): 999 円 / 420 円 より 発売日: (1993-06) アマゾン売上ランキング: 73374 位 - / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 3件 「異形」の歴史本書のキーワードの一つが「異形」である。 異形という言葉から何を連想するか。例えば普通と異なる、と言ったことであるが、普通では 計りえない逸脱を描いた歴史であると言える。 この異形という言葉は現代では賎視を持っていると思われるが、中世では限られたもののみに 許された特権であったのである。そうしたものが朝廷に入るとどうなるか。 後醍醐をそうした「異形の王権」として浮かび上がらせた。 特権が特権として機能したのは後醍醐の時代までであるとも網野氏は説く。 この後醍醐の政治等々が果たして王権と表現するのが良いのか、疑問は残るが、 この書は後醍醐という歴史のタブーを破った意味で大きい。 また「異形の力」については、『蒙古襲来』と重なる飛礫も挙がっている。 これについては省く。 絵画資料が多い先日この本の著者がお亡くなりになられた。 優れた歴史学者であり、彼の研究には目を見張るものがあった。 それはこの本の内容のように絵画資料を多く取り入れたものなどである。 一読の価値はあります。 面白い歴史学の本です。 「日本人」の「聖」イメージを探る、興味深いアプローチ鎌倉時代末期に登場し、それまでの天皇に対するイメージを打ち破り、自ら幕府打倒のための呪詛を行うなど「異形」の天皇である後醍醐天皇。彼が歴史的に持つ意味を、非人と呼ばれた人々の存在と絡ませながら描いた力作。 江戸時代以降「非人」などと呼ばれて差別の対象とされてきた人々は、古代にあっては人と異界の狭間に暮らす「人ならぬ存在」すなわち「聖なる存在」であったと著者は喝破します。農業以外の生業に携わり、特殊な技能によって社会に関わった彼らは、天皇直属の隷属民であり、その他の人々とは異なる存在と観念されつつもけして差別される者ではありませんでした。そして彼らの柿色の衣装をまとい、頭を布で覆うという出で立ちは、「異形」と呼ばれ、「人ならぬ者」の象徴と考えられていました。そして「非人」とされる人々以外でも、時に応じてこのような姿になることで自ら非日常の世界に入り込もうとする態度が見られたことが文字史料や絵画資料をもとに論証されています。 ところが鎌倉時代後期からこのような様相は変化をはじめ、「非人」たちは差別・侮蔑の対象へと貶められるようになります。この本では仮説として示唆されるだけですが、「非人」たちを自ら権力基盤として積極的に利用しようとした後醍醐王権のあり方が一つの画期になったのではないか、と著者は提起しています。 民俗学と歴史学の強調、絵画資料の利用などを積極的に進めようとする著者の態度はこれから歴史学が模索すべき道の一つを示しています。また、現在も生々しい差別が残る問題ではありますが、このような問題関心は我々の聖性に対するイメージの変遷を浮き彫りにするよすがになるのではないでしょうか。著者の論証は(飛礫の問題など)まだ一部思弁的でこなれていないところもありますが。 |