ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」

Frits Barend - 二見書房 価格 ¥ 1,680
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ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」

Frits Barend
二見書房

価格(new/used): 1,680 円 / 321 円 より
発売日: (1999-12) アマゾン売上ランキング: 16273 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 6件

ジーコも読んでほしい
いつからだろうか?日本代表の試合がつまらなくなったのは。没個性的な3-5-2のシステムで毎試合1-0で、しかも勝ったり負けたり。よくもあんなに盛り上がれるもんだ。
そんな現在の日本代表とは対極のサッカーを志向する"ジーザス"・クライフがサッカー(オランダ代表、アヤックス、バルセロナ),人生について語った一冊。クライフだからこそのケレン味たっぷりの独白に読んでいるほうもニヤリとさせられる。
全編にクライフのサッカー観、人生観が語られているが、戦術についてはそれほど触れられていない。個人的にクライフの戦術に興味があったので、その点はマイナス。クライフその人よりもその考えに興味がある人は別をあたったほうがよいかもしれない。
サラリーマンのようなサッカーを繰り返す今の日本に必要なのはクライフのような革命児だと思う。
そんな選手多分どこにもいないけど。
尊大だが面白い、かっこいいけどどこか滑稽
数あるクライフ本の中での唯一に近い公認本。日本語版では全編クライフの独白という形で話が進む。話は多岐に渡り、サッカーだけでなく私生活のことにまで及んで、クライフ・ファンにはたまらない内容とも言える。

翻訳のせいなのかもしれないが、クライフの言葉は時に傲慢で尊大。しかし、その語り口にはどことなくユーモアが見え隠れする。ピッチ上でのプレー同様、かっこいいのだが、自らの失敗談を案外率直に認めていたりもして、どこか滑稽さも漂う。20世紀一のフットボーラーとして恥ずかしくないように、十分すぎるほどかっこつけているのだが、そのかっこつけている間から、一人の人間としての生々しさが溢れてくる。そのギャップが魅力的なのだ。

勿論、サッカーの戦術論としても面白い。中盤のプレッシングのきつい現代サッカーにおいて、ポジショニングがいかに重要であるかを日本代表も再認識すべきだ。もともと日本人はフィジカルでは劣っているのだから。

「信者」の毒にも薬にも
スターの地位というのは、察するまでもなく大変だ。
プレーや采配に始まり私生活も含めたあらゆる行動、コメントを
ファンやマスコミ、クラブ首脳陣から常に評価される。
だから自分の判断には、絶対の自信を持たねばならない!
…のは分かるが、クライフの主観を映し出した「コメント」からは、
「信者」側からみても少し、尊大さがうかがえる。

とはいえ、本人の思いが第三者の解釈なしで語られているため、
トータルフットボールの理念や特徴、在籍もしくは指揮したチームの
分析などは、やはり秀逸。
例えば86年W杯のオランダ代表のクライフ流布陣では、
ライカールトをトップ下に配置。
ミランや晩年のアヤックスの活躍からは、簡単には浮かばない発想だ。

また、90年W杯代表の対エジプト戦でのコンセプトにも、うならされる。
こんな調子で、よくもわるくも「信者の幻想」を上回る本。
もちろんクライフを知らない方が読んでも、「!」な部分はあるだろう。
クライフ像を別の視点からも見てみたい方には、
中公文庫の「ヨハン・クライフ-スペクタクルがフットボールを変える」
が良いのでは。

フットボール史上最大の革命家
「フットボール史上最大の革命家」クライフが己の信条を余すことなく語っているのが本作品です。ナンバーワンたる自負に溢れる彼の言葉は、そもそもに遠慮というものがなく、かつ機知に富んでいるので非常に面白い。「一流の選手とは、ペナルティエリアの中からいいパスを出す。外からじゃない」など彼独特の見解が随所に見られ、読後には確実にフットボール観が広がることでしょう。<退屈な勝利を得るくらいなら、スペクタクルと共に敗北した方がまし>という彼の美学は、21世紀のフットボール界においても、色褪せるどころか、なお一層輝きを増しているように感じます。

本書を特にお薦めしたいのは、「クライフ」という名を知ってはいるが、彼の選手時代あるいは監督時代を直に観たことがない方々!。ペレのように17歳でW杯を制した訳ではない、マラドーナのように6人抜きの超人的ゴールを決めた訳でもない、にも関わらずその両者にまったく引けを取らない圧倒的存在として語り継がれる理由がきっとわかることでしょう。ただ、いわゆる「クライフ信者」にはどうか。サッカー雑誌等で彼のインタビューにこまめに目を通している方々には、既知の内容かもしれません。が、クライフイズムの「総まとめ」として位置付けるならば、それなりの価値ある一冊になることでしょう。

最後に「美しく勝利せよ」というタイトルが、どうもクライフの思想を正確に表現し得ていないように思えることを付け加えておきます。むしろ「美しく敗北せよ」の方が、彼の言わんとしていることにより近いでしょう。

エキセントリックなお方です。
金子達仁は20ページ余りしか書き下ろしていなくて、後は全部クライフの独白という形です。
クライフに関連する本は他にも何冊か出ていたように記憶していますけど、これがどうやら唯一『公認』らしいです。
冒頭でクライフがそう語っています。

話はインタビュー形式で進むのでクライフの思考がとても分かりやすく表明されており、ヘタクソなクライフ評論なんかよりもずっと読ませます。
たとえば『トータルフットボール』とは何か…
アヤックス、バルセロナの監督業について…
自分は最高の選手である…など。
クライフが自分のことを冷静に語っているのだからゾクゾクします。

先ほども書いたようにとても読みやすいので、2時間ぐらいの有意義な時間を過ごせるかと思います。
特にサッカーに携わっている方にはゼヒ読んで欲しいですね。
おそらく何がしかの衝撃は受けるはずです。

何しろ彼は

「たとえば4対0でリードしていて残り時間が10分。こんな時はシュートをゴールポストに当てて、観客を『おお』とどよめかせたほうが盛り上がるんだ」
などと堂々と言ってのける御仁なのですから。