晩鐘〈上〉 (双葉文庫)

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晩鐘〈上〉 (双葉文庫)


双葉社

価格(new/used): 1,000 円 / 1 円 より
発売日: (2005-05) アマゾン売上ランキング: 41070 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件

やりきれません
何気なしに読み始め、大輔の小学生とは思えない無軌道ぶりに驚き、
レビューを読んで、慌てて「風紋」を購入、そちらを読んでから改めて「晩鐘」に入りました。

事件が起こってから7年後の話です。
真裕子の立ち直りの予感で終わった「風紋」でしたが、
心の傷はそう簡単に癒えるものではありませんでした。
姉や父は、彼女から見たらまるで何事もなかったかのように
新しい道を歩み始めていましたが、それも真裕子にとっては悲しみを増す因子でした。

一方の香織(犯人の妻)は同情しかねるほどに堕落し、
子供たちを実家に預けっぱなしにし、その結果、
子供たちは普通の小学生らしい子供でなくなってしまったのだと思われます。

何もそこまで、と言いたくなりましたが、
一つの事件が多くの人々を巻き込み人生を狂わせてしまうことは
痛いほどに感じられました。まさに痛いほどに。

真裕子は救われましたが、犯人の子供たちが哀れでした。
本であまりなくことのない私が、思わず涙した作品です。
決して楽しい本ではありませんが、是非ともお勧めしたい本です。
良いです!
風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。
犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。
心にぐっとくる作品でした。
ミステリーというよりはドキュメンタリーっぽいかも
「風紋」「晩鐘」と読み進んできて、片時も目を離せない、いったい何時になったら肩の荷が下りるのか、ずっとそんな感触を味わい続けてきました。結局、一連の事件は一つの帰結を見るけれど、でも、真の意味で安堵はもたらされない。これは机上の空論等ではなく、実在のドキュメンタリーに近いと強く感じました。
私自身、8歳年上の新聞記者(しかも社会部)と結婚したため、真裕子の心理が手に取るようにわかる件があります。更に今は二人の性格の異なる娘を持つ身となり、全く違う二つの視点から本書の内容に共感を抱きました。乃南氏は、殺害された母の心情については敢えて殆ど描写していませんが、母が女性としての自分を求めた心理そして当時高校生だった真裕子が、亡き母の代わりとなる存在として知らず知らず建部に惹かれていく過程の心理は、もはや他人事ではありません。犯罪加害者側の登場人物の崩壊の過程は、何もここまでおとしめなくとも…と感じるほど徹底していますが、この小説が現代の犯罪抑止力になれば、乃南氏の意図も報われると言えるかもしれません。
これは・・・
読むほうにも相当な精神力が必要だと思った。特に高校生くらいの子が読むんであれば、自分の暗い部分がひきずりだされそうで、結構怖い小説だなあと感じた。自分も決して、無垢なものの前で全部をさらけだす勇気はない。純真な大切な人が、自分のダメなところを見透かしているような気がする、そんな気持ちは本当にしんどかっただろうなあと思う。ありきたりな言い方だが、主人公の1人、大輔は本当に母親の愛情に飢えてるのだと思う。祖母の愛情は本当に深かったのだろう。真裕子に関しては、「風紋」から読んできてやっと息がつけた感じがした。タイトルもぴったりだと思う。
加害者側の結末
風紋(上下巻)、晩鐘(上下巻)を10日程度で一気に読みました。とても読み応えがあり、かなりのページ数はあったものの冗長さを感じませんでした。微細な心理描写をページを惜しまず表現している結果かとも思っています。素晴らしい作品だと自身を持って言えるでしょう。
ただ、残念なのは劇的な結末を演出する為に加害者側の親族をあまりにも不幸に(作品上では連鎖と呼んでいるものかもしれません。)描いてしまった点では無いでしょうか。
被害者側は心の傷を負いながらも、失った生命を新しい生命によって傷を埋めて行くという終わり方でとても納得の行くものなのですが、加害者側は常に崩壊を連鎖させてとことんまで行ってしまったという気がします。
犯罪による連鎖の恐ろしさがメッセージかもしれませんが、ただ単に犯罪者の家系というだけで連鎖に巻き込まれ、死を迎えるという結末はひどすぎる気がします。