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熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)


培風館

価格(new/used): 3,675 円 / 5,616 円 より
発売日: (2000-04) アマゾン売上ランキング: 21531 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 7件

物理学学部4年生の輪講、読書に最適です。
もし、学部生の時、学生の時、講義を受けて理解しようとしたけど、熱力学がわかりにくい、わからないという方いらしたら、この本を読んでみて下さい。喫茶店でコーヒー片手にしながら読んでもいいし、涼しげな公園のベンチに座りながらでもいいでしょう。私は、物理学の中で熱力学の理解は曖昧で、抽象的で論理的でなく一種の哲学書みたいな感覚でした。そんな時、研究室の助手の紹介で初めて田崎先生の熱力学を読みました。モデルは、容器とピストンだけで、等温過程で第二法則とHelmholtzの自由エネルギーを説明し、断熱過程で保存則と内部エネルギーを説明し、それらの関係からEntropyを説明するという一環した体系は興奮しました。内容は難しくなく、それが小説を読んで感動するかのように、“すぅー”と入っていく感じでした。ペンと紙は用意していません。この本は、いつも重要な位置にあります、社会人になっても。全世界の物理学を勉強する方、読んでみて下さいな。英訳されているのかな。
「熱」にスポットをあてない熱力学
 等温操作と断熱操作による「仕事」を軸に熱力学を再構築した良書。断片的な理解になりがちな熱力学に一本の大きな幹を通してくれる。

 普通,「熱」と「仕事」は同列に議論されるものだが,本書の主役は「仕事」であり,「熱」はほとんど表にでてこない。等温操作(最大仕事)から「ヘルムホルツの自由エネルギ」,断熱操作(断熱仕事)から「内部エネルギ」を定義した後,自然に「エントロピ」を導入する思考の流れは斬新。「何何を要請する」といった言葉遣いは,数学書に近いが,このスタイルに慣れると論点が明確で非常に読みやすい。また,脚注が充実しており,著者の科学に対するスタンスも垣間見れる。

 和書には少ない独自性を特徴とし,さらにそれが成功している類稀な例。後半にいくにつれ,やや専門的になってくるが,エントロピを導入する第6章までは学部問わず理系大学生必読。
この教科書が読める日本人で良かった
熱力学というと,訳の分からない○○エネルギーやらエン○○ギーやらといった関数を定義して,ごちゃごちゃした偏微分の式をいじくり回してるだけという印象を持った人も少なくないと思う.そして統計力学の講義を聞き終わったころには,熱力学なんてやったことをすっかり忘れてしまうのである.しかしながら,熱力学は物理学の基礎的な現象から工学的な応用にまで幅広く適用されており,その重要性は計り知れない.
この普遍的な理論ゆえ,あまりに抽象的で理解が難しかった熱力学にあって,田崎氏の教科書の登場は私にとってまさに革命的であった.様々な操作・物理量に対する明確な定義,そこからの理論展開,最初から最後まで筋の通った明快で分かりやすい記述に,頭の中にあったモヤモヤが消え去り一気に晴れ渡ったような気がした.また,熱力学と統計物理学の関係を始めとした,自然科学に対する著者の認識に関する記述も非常に示唆に富んでいる.
頭の中をスッキリさせたい理工系学生・技術者・研究者全てに読んで欲しい.
泣きながら一気に読みました。
 世界の中心でなんか叫ぶのが今でも流行ってるのかどうか知りませんが、この本は柴咲コウよろしく泣きながら一気に読みました。私もこれから熱力学を勉強してみたいなって思いました。

 個人的なことで申し訳ないんですが、私は力学と電磁気と相対論は大好きなのに、熱力学(と量子力学)にはどうにも馴染めません。私だけかも知れませんが。
 粒子が飛んだり力線が伸びたり時空が歪んだりするのは具体的でわかりやすいのですが、熱力学はナントカの自由エネルギーみたいな量をガチャガチャ定義するばかりで、それが具体的にどんな現象を表しているのかサッパリわからず、面白くないのです。
 原島もキッテルも久保の大学演習も途中で投げたものです。助けてください!!

 そんな劣等生の私が、初めて最後まで読めた熱力学の本が田崎でした。この本は涙なしには読めません。
 あのいまいましい「熱力学のゲンミツな議論」であるにもかかわらず、出てくる話題がいずれも非常に具体的で、いまこの文章は何を論じようとているのか、直感的によくわかるのです。
 ピストンと断熱材と熱交換器、そしてピストンを押す手という簡単な道具だけを使って(著者はこれを「仕事を主役にした操作的な視点」と呼んでいます)、あれよあれよのうちに熱力学の体系を築き上げていきます。
 他のどの本でも「ただの数学的に整理された形式」にすぎなかった諸々の熱力学関数が、みるみる頭の中に物理的な姿を現してくるのです。個人的には、ヘルムホルツのFの意味(定義ではなく、意味!)がやっとわかったことに深く感謝しています。

 同じ著者に統計物理学(統計力学)も書いてほしいものです。培風館の担当者さんからも先生に一言お願いしてください。

感動しました!
この本は序文にもあるように、従来の熱力学の教科書とは異なるアプローチをとり、理論的にわかりやすく書かれています。特に、多くの人にとって、従来の熱力学の教科書において最もわかりづらいであろうエントロピーという概念を等温、断熱操作を通じて自然に導入しているのは見事だと思います。

さらにこの本の素晴らしい点として、熱力学の思想的な面に関する著者の考え方についての記述が挙げられます。物理学の中で熱力学という体系がどのような位置付けにあるか、熱力学的な考え方とはどういったものであるか等は、統計物理になじみ、そこから熱力学が導出されるものだと錯覚していた私のような人にとっては、非常によい教訓をあたえてくれます。また、脚注や問題にも、著者の鋭い考察がみられ、より物理的な考え方が深まるでしょう。
熱力学の教科書は国内外問わず数多く出版されていますが、その中でもこの本は最も優れたものであると確信します。もしこの本を読んで何も感じない人がいればその人は物理のセンスがないと言わざるを得ないと思います。