小説から遠く離れて

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小説から遠く離れて


日本文芸社

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発売日: (1989-04) アマゾン売上ランキング: 287271 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件

ミステリよりもミステリな評論
本書は、ミステリ小説を思わせる。いくつかの書きたい小説家を挙げる。井上ひさし、丸谷才一、村上春樹。そして、彼らと区別していくつかの書きたい小説家を挙げる。大江健三郎、中上健次。彼らにまたがる小説家として村上龍。大江と中上寄りに、ちょっとだけ高橋源一郎。80年代の小説は全て(冷戦が終わってもいないのに)同じ物語を書いているとする仮定を始めに置く。それの論理を補強するものとして井上の一派。そして小説は全て同じ物語を書いていることを意識しているものとして大江の一派。ここには既にそれしか書けないという諦めがあるそうだ。

優れた評論は探偵がミステリで推理をするように書くそうだ。最初にぽんぽんと前置きをしておいて、それを自己の論理で解決に結びつける。それを事件の因果に合わせて正しいなら正しくなるし、間違いなら間違いとなる。でも被疑者や被害者のホントのところはよく分からない。事件の残した社会性もホントのところはよく分からない。あとは読者任せというが、まさに優れた評論とは、ミステリの推理かもしれない。