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私の履歴書 人生越境ゲーム (私の履歴書) |
| - 日本経済新聞出版社 価格 ¥ 1,995 | |
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私の履歴書 人生越境ゲーム (私の履歴書)日本経済新聞出版社 価格(new/used): 1,995 円 / 1,268 円 より 発売日: (2008-04) アマゾン売上ランキング: 46483 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件 これからも続く越境ゲーム!―自分史と時代史の融和世界へのいざない自伝的なものを残すタイプとそうでない人間がいるそうだ。人生を自ら振り返り、それを公にすることは勇気がいることである。しかし自分史を時代史のなかに主体的に位置づけそれを文章として残すことは、青木昌彦氏の学問的業績に関心があるものは当然のこと、そうでない人間にも興味・好奇心を与えるのではないか。理論経済学(ことに制度理論研究)の分野で世界の学界をリードし続ける著者の文字通りの「履歴書」が本書であり、最初から最後まで知的魅力に満ちている。「人生越境ゲーム」という表題も、著者の人生観を的確に表明する的を射た名称だ。 本書のような「履歴書」についてレビューを書く自体、本来的に望ましい作業ではないのかもしれない。しかし何かに突き動かされるような衝動を禁じえない。「1つの越境ゲームは他のそれと絡み合い、全体として切れ目のない連鎖をなしているようだ」(250頁)という言葉は、著者の「越境ゲーム」はこれからも続くことを示唆し、われわれを更に興奮させる。そう、本書には人をワクワクさせる高揚感が濃密な形で凝縮されているのだ。「知的ベンチャー」と称される7つの試みが本書を通じて語られているが、そのなかでも最初のベンチャーであるブントをめぐる一連の記述はまことに興味深い。すべてはここから始まったともいえる。「ベンチャー組織は、個人の自発性、自主性の仲介機関であるべきだという思想」(86頁)は、著者の端的な組織哲学を反映し、それはそれ以降のベンチャーにも見事に活かされてゆく。スタンフォード大学において比較制度分析(通称CIA)の博士号取得のフィールドを立ち上げたことは有名だが、制度の多様性・多元性を普遍的言語とされるゲーム理論を援用して解き明かすという方法論にどのような経緯を踏まえて辿り着いたのか、そうした手法がどのような可能性を秘めているのかも分かりやすく説明されている。著者が開拓したアプローチは、「越境」的であると同時に、経済学、政治学、社会学や法学などの社会科学諸分野を「架橋」するダイナミックな知的営為なのだろう。巻末の対談「社会科学は統合されてゆく」も収録するに相応しい有益な内容である。 著者は幾つかの複合的要因が重なったこともあり、抽象的な数理経済学研究に従事することにある種の「迷い」が生じた時期があったそうだ(第20項「経済学に迷い」を参照)。社会科学統合問題の解決に向けて開始された比較制度分析は、社会科学としての経済学のあり方を根底的に問い直すものである以上、それを専門的に研究するか否かは別にせよ、いかなる思考様式から成り立っているのか、その哲学的背景については今後も勉強してみたいと思っている。経済学に限らず、著者の興味関心事(歴史、文学、音楽、映像文化など)は実に多彩で、それらに対する彼自身の洞察も深い。家族をとても大切にされていることも十分に伝わってくる(155頁にある写真は温かく印象的だ)。ユニークなエピソードも満載である。総じて本書は秀逸な「時代」書といえる。著者の視野はどこまで拡がってゆくのであろうか。 学生運動の活動家から世界的な経済学者へ比較制度分析の創始者の一人として、将来のノーベル経済学賞の有力候補者にも擬せられる青木昌彦氏のいわば自伝。特に、これまで明らかにされてこなかった学生運動(ブント=氏の第1ベンチャー)時代の活動の描写や協働者たち(唐牛健太郎、島成郎、生田浩二など)との厚情を記した部分は、かなりの部分を占めるとともに本書の白眉。「組織に運命共同体的な価値を見出す」(86頁)ことなく、「社会の組織にかかわる最も基本的な問題意識と明晰な論理の結合、これこそ非論理的な党派的政治論争に倦いていた私の必要としていたものだった」(98頁)と氏が語るとき、われわれは、氏の学問が正に学生運動時代の鮮烈な経験から得られた問題意識に立脚した持続的な(ヤワではない)知的営為であることを了解する。(氏の参加した60年代学生運動と陰惨なイメージの強い70年代学生運動の対比についても、本書を通じ考えさせられた。また、本書を通じて、米国の大学が依然有しているであろういわば「知の生産能力」にも改めて感嘆させられた。)「ゲームの戦略的補完性」(=ドメインごとのゲーム均衡がお互いに補強し合っているさま)に関する議論をはじめとして、巻末の加藤創太氏との対談も「比較制度分析」という学問領域のイメージを掴むのに大いに有益。 同じテーマの商品を探す
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