日本のもの造り哲学

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日本のもの造り哲学


日本経済新聞社

価格(new/used): 1,680 円 / 585 円 より
発売日: (2004-06) アマゾン売上ランキング: 7040 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 18件

伝統が生み出す日本の設計思想
私達の間では“造り”は、良いのだが“売る”能力が落ちるという話があがる。
マーケティング不足で売るという力不足がある。
現実的には、いい品物という最低条件の上でしか売れないと思うのだが
“売る”という相当強力な展開を図る必要がある。

その前に 造りの段階にて アーキテクチャという考えがあり 
擦り合わせ型か組み合わせ型という軸があり、それが産業構造の流れをつくっている。
産地地政学というものがあり 国により 得意な分野が違うなど 歴史の積み重ねで組織能力の偏在をもたらすという理論は面白い。

その基礎となるものが長年蓄積された“技術と人”であるという点と
もの造り現場では孫子の兵法「彼を知り、己を知れば、百戦あやうからず」と言う基本は、哲学である。

実務でかなり有効
この本にはコンテクストに関することが深く記載されていると感じます。

ビジネスモデルやマーケティング戦略を考える上でのヒント盛りだくさんな気がします。

それ以上の気付きはもったいないので書きません。

深い分析力による哲学
競争力には2種類ある。裏の競争力と表の競争力。裏の競争力とはKAIZENやTQMなどに代表される日本の現場力そのもので、生産リードタイム、開発期間短縮、歩留まり改善などの形で効果が見える。日本企業の得意とする領域で、強い工場の言葉で表現される。但し、この競争力は顧客の目に触れない。
それに対して表の競争力は「ブランド力」「価格決定力」「デザイン」など顧客の目に触れる部分の競争力で、欧米の企業が強いとされている。
日本企業は裏は強いが、表が弱い(工場は強いが、本社が弱い)。この著者の視点は見事に日本製造業の真理を突いていると思った。
また、擦り合わせ型と組み立て型による産業構造の分析と競争力源泉の探求は興味深いが若干学術的(悪く言えば趣味の世界)過ぎて、その分析を極めたところで、具体的にどういう戦略または戦術として、日本企業の競争力を強化することができるのか明確な価値提言を見つけることができなかったのは残念。あえて戦略論といわず、「哲学」というタイトルにしたのは、構造分析結果に傾斜しすぎたからかもしれない。



ものづくりの本質とは何か? が分かる
とにかく分かりやすい。
振り返ってみると、自分の勤める業界でも五年くらい前、中国製品脅威論が盛んに言われていた。
しかし、今はなぜかそれほど脅威ではなくなっている。
この本を読んでそのなぜか?がはっきり分かった。

ただ、自動車業界については詳しい説明があるが、それ以外の業界についての解説はやや浅いような気がする。

それでも、メーカー勤務の人にとっては改めて「もの造りの本質」についてのおさらいにもなると思う。
もの造りにとってトレンディーな学問です
ここ最近、経営の観点からグローバルな視点で日本の製造業に関するビジネスモデルを研究する本が数多く出版されています。
おそらくIT革命を起点として、製造業の革新的なデジタルエンジニアリングがグローバルに開花し、これに伴い、中国のデジタル革命とマンパワーによる脅威などと共に危機感をいだき、急展開する製造業を研究されてきたものであり、研究分野としては歴史が浅いですが、新規性や話題性があります。
いずれもこういった日本の経営研究は、野中郁次郎先生の知識経営、その著書「知識創造企業」が出発点になっているように思います。
日本のもの造りの原点は、トヨタでみられるクローズでインテグラルな擦り合わせ型である、また、パソコンのデファクトスタンダードな製造方法などから、オープンでモジュラー型であるなどといった、「アーキテクチャー」の概念に基づき、学術的な分類分けがしてあり、海外諸国のアーキテクチャーの特徴についてもざっくばらんに述べてあるところが気に入りました。
要はすごく分かりやすく物語ってくれています。これほど明瞭に整理整頓され、経営専門ではなくても理解できる本はなかなか出会ったことはありません。
経営など学問を研究する方以外に、アーキテクチャーを演じるエンジニアの方々はもちろんのこと、実際にこういった現場に立っていて現状を熟知している製造業の方々にも企業構造をきちんと整理して戦略を立てるという点で、ぜひおススメできる本です。