巨象も踊る

山岡 洋一 - 日本経済新聞社 価格 ¥ 2,625
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巨象も踊る

山岡 洋一
日本経済新聞社

価格(new/used): 2,625 円 / 399 円 より
発売日: (2002-12-02) アマゾン売上ランキング: 5953 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 51件

強烈な経営への想いが感じられる
IBM再建の道筋をメインテーマに、ガースナーの経営に対する考え方全般が盛り込まれている。

・IBMが抱えていた問題とは何だったのか
・問題の本質を彫り出すプロセスはどのようなものだったのか
・再建への打ち手をどのように導出したのか

等の要点のみならず、余談(アナリストが企業評価をする際に焦点を当てるべき点等)も非常に参考になった。

但し、本文が約450ページと長文であるため、個々の内容は理解できても、総括して咀嚼・理解しづらい面がある。
章建ての纏め方や、内容列挙の順番等にしっくりとこない点があるので星四つ。
歯切れのよい文章
なによりも文章の明晰さと歯切れのよさに驚き。
適切なところでエピソードを挟み、
自分の考えを明確な言葉で述べていく。
文章に気持ちのいいスピードが感じられる。
著者本人の頭脳の明晰さが思い知られるだろう。

IBM復活の軌跡/奇跡を描いた本書は、多くのヒントに満ちている。
別に経営やIT業界に興味がなくとも、この本はドラマとして楽しい。
まさに事実は小説より奇なり、である。
面白い!
ただの自伝ではなく、ただの自己啓発ではなく、回顧録でもない。ビジネスマンとしてこの1冊は読んでおきたい。
圧巻のリーダーシップがここにある
市場を省みないコンピューターメーカーをソリューションプロバイダーへと変える。
官僚的組織を変革者集団へと変える。

何一つ派手なことは書かれていないが、一つ一つ積み上げて最終的に大きな成果を
挙げているガースナーの手法は真のリーダーシップを感じさせる。

その実行力に圧倒され、ガースナーの世界にグッと引きこまれる。
それなりに厚い本だが、あっという間に読み終えてしまうに違いない。
危機に瀕する大企業所属のすべての方に
1993年IBMはサン・マイクロシステムズ、マイクロソフトに叩きのめされ、メインフレームの売り上げの落ち込みが1年ほどで下げ止まらなければ、全てが終わると考えられていた。当時ビル・ゲイツは、IBMは『7年でつぶれる』と言ったとか言わなかったとか。

崩壊の淵にあったIBMは、再建のため元アメリカン・エキスプレス旅行関連グループ責任者で当時RJRナビスコのCEOだったルイス・ガースナーに託した。本書はガースナー本人によるIBMでの軌跡を記している。それは沈みかけた老舗巨大企業を10年足らずで見事再生させた経営者の軌跡(奇跡)といえる。

第III部で語られる彼の直面したIBMの企業文化は、日本の多くの巨大企業が抱えている課題の多くを語っている。数十万人の社員の姿勢や行動を変えるには魔法の薬はない。先ず必要になったのはプロセスの破壊だった。ルールや規定をほぼ一掃することを主張し、原則にのっとって行動する事を表明した。しかしココまでなら経営コンサルタントでも容易にできたであろう。ガースナーのすごいところは明確な戦略を実行したことだ。「大雨を正しく予想しただけでは功績とはならない。方舟を作って初めて功績になる。」(本文)

単純で地道な実行の繰り返しは、経営のグルには決して語れないリアリティがあった。自宅ガレージから大企業に育てた天才も確かにすごい。しかし過去に栄光をつかみながら崩壊に直面し、なお栄光の澱を引きずっている巨大企業を再生したガースナーに大きな魅力を感じる。当時のIBMが直面していた危機に直面している企業に所属しているあなたに、「変革は言葉だけではない」ことを証明している書といえよう。