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夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)東京創元社 価格(new/used): 600 円 / 10 円 より 発売日: (2006-04-11) アマゾン売上ランキング: 81892 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 10件 このせつなさは一体…。小市民シリーズミステリー待望の二作目。これはもちろん夏に読むべきでしょう☆依然奇妙な人間関係の高校生男女ふたり。出だしはいつもの展開を踏襲し、日常に生まれるナゾを自ら作り出したり解き明かされたり。しかし、全体を通してどことなく主人公の語りに不穏な色があり、前作を読んでる身としては当然、おや?とひっかかります。でもまさかナゾがすべて解けたあとにこんな展開が用意されているとは…。恋愛関係でなくてもせつないストーリーは描けるのだなあという一例が、ラストに読者を待ち受けております。だけど、あー、この小説、続きはどうなってしまうの〜!? ミステリ傑作だけど、ラストが辛すぎる作品この本は、前に紹介した「春季限定いちごタルト事件」の続編になります。 小鳩くんと小佐内さんのコンビも、前回は高校一年生でしたが、今回は一年とちょっと過ぎて高校二年生になっています。見かけは普通ながら、それぞれ常人より推理力と復讐心が圧倒的に強い二人はその自分たちの性を押さえて隠すため、「小市民」を目指していますが、今回もまたそうはいかない展開になります。一夏の事件は二人の関係をそうした穏やかな状態で終わらせてはくれませんでした。 幕開けはそんな劇的なことを予感させない、むしろ微笑ましい雰囲気で幕をあけます。 夏休みになった途端に、「素敵な夏になりそう」と小佐内さんは、街にたくさんある厳選スイーツの食べ歩きに小鳩くんを誘います。その名も「小佐内ゆき 夏のスイートコレクション」と銘打って、それぞれのお店とおすすめまで書き込んだ、お手製の地図まで作って一夏の食べ歩きを提案します。甘いものがそんなに好きじゃないといいつつ、小鳩くんもそれにつきあいます。まさに、清く正しい男女交際? みたいな展開になります。そこだけみると気恥ずかいくらい青春しています。 彼女の性格からすると違和感を感じつつも、小鳩くんはそれにつきあいますが、それは大きな事件につながることだったのです。。 ストーリーはそのあたりまでで、感想ですが、正直ラストの部分は非常に辛かったです。 どんでん返しにつぐどんでん返しで、まさにミステリーの醍醐味を感じさせる展開で、なおかつその構成力には舌を巻く思いで、それだけであれば文句なく太鼓判で大絶賛です。前作よりも非常にレベルアップしています。 が、本当にラストの展開が辛かったです。よくできたキャラクターに惚れ込んでいたからかも知れませんが、最後の二人の選択が悲しかったし、その途中での小佐内さんの語りにも胸が苦しくなっていました。 女性はいろいろな顔を持ち、男が思っているような単純なものでは決してないです。それはまぁもちろん人生経験で誰もが知っている筈ですが、こういうシチュエーションになって、思いがけない展開になるとなんだか全てがわからなくなってしまったり、動けなくなるのも男性心理の不可思議。読んでいて、まるで自分がそこにいるかのように苦しくなってしまいました。 続編が「秋季限定 マロングラッセ事件」として出る予定だそうですが、ここからどうやって組み立て直すのか、二人が幸せな状態でいるのか、この作品を読んだ人は必ずやきもきしながら待つ事になりそうです。 犯罪は、お菓子じゃないよ本シリーズにおいて、 小鳩君は〈探偵行為〉を、小山内さんは〈復讐〉を それぞれ封印し、平凡な「小市民」を目指しています。 ともに自分の過剰な部分を抑圧し、 「普通」になろうとするのですが、 抱える問題の切実さでは、 小山内さんの方がより深刻 だといえます。 第一に、小鳩君の「探偵」は、節度さえ守れば、 十分社会に受け入れられるものであるのに対し、 小山内さんの「復讐」は、どこまでいっても 反社会的行為であり、認められないものだということ。 第二に、小鳩君の「探偵」はあくまで事件に 第三者的に関わる傍観者であるのに対し、 小山内さんの「復讐」は、自分自身の利害が 密接に絡んだ事件に、当事者として関わらざる を得ないものだということ。 そういったわけで、小山内さんは、たまに鎌首をもたげる復讐心を スイーツを食すことで紛らわせ、代償としているのですが……。 今回、二人の関係に決定的な転機が訪れます。 小鳩君にすれば、中学時代とは違う意味で、 「探偵」として挫折したといえるでしょう。 「秋」になって、彼が自分の資質と自意識にどう折り合いをつけるのか、 そして、小山内さんとの関係にどのような答えを見出すのか、 今から楽しみです。 パワーアップ「春季限定」から一年余り。高校二年になった小鳩&小佐内の活躍を描いたシリーズ第二弾。 ふたりとも訳あって小市民をめざす・・というキャラクター設定の面白さで前作も読ませたが,今回は更にパワーアップ。性格設定的に途中「これは無理があるんじゃないか」と首をかしげたくなる部分もあったが,終盤からの種明かしで納得。小さな事件を積み重ねていき,最期に全体像を総括すると全く別の構図が浮かび上がる・・という古くは山田風太郎「おんな牢秘抄」(角川文庫)から近年では霞流一「首断ち六地蔵」(光文社文庫)などに見られた超絶テクニックを堪能。 柔らかい題名と表紙イラスト,そしてライトノヴェルという看板に正直手を出しそびれていたが,読んでよかった。 既に続篇が予告されているが,あの状況からふたりはどうなっていくのか,今から楽しみ。 仕組まれた苦さ『春』に続くシリーズの2作目. 序盤こそ『春』と同じような『日常の謎』系のほのほのさですが, 中盤以降では,それをちょっと離れた大きな事件へと話は進みます. この事件の中で,少女はまた陰湿ない一面を見せるのですが, ちょっと今回のものは後味が悪いというか,いい気分にはなれません. それでも悪びれる様子もなく淡々と語る姿にまた辟易…. ほかにも彼女のイヤなところが目立ち,少年の揺れが痛々しく思えます. が,イヤな気分といっても心底そういう気分なのではなく, 創作の世界とわかっていても,うまく乗せられているといいますか. おかしな表現ですがよい意味で苦みを味あわされるのですね. そのぶん,その理由が,続きがとても気になります. が,それについては最後に少しだけにおわせて,続きは次作となる『秋』へ. どう転ぶかはわかりませんが,すっきりとさせてくれることを期待します. |