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樋口一葉集 小説篇 |
| 管 聡子 - 筑摩書房 価格 ¥ 1,050 | |
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樋口一葉集 小説篇管 聡子 筑摩書房 価格(new/used): 1,050 円 / 800 円 より 発売日: (2005-10-05) アマゾン売上ランキング: 213710 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件 どうしようもない人間の哀しさがを胸を打つ小説が描いているのは非常に俗な庶民生活の話で、登場人物も普通の庶民が普通の行動で、ストーリーに意外性や目新しさはありません。言葉のリズムや比喩の使い方なども含め、講談・浪花節のような感じです。しかし、なぜか小説全体としては、俗っぽさ、わざとらしさが鼻につかず、非常に胸を打たれます。どの小説にも貫かれているテーマは、「どうしようもない人間の哀しさ」です。「本人は賢明に努力するが、貧乏に縛られてどうしようもない」「色恋に囚われてどうしようもない」「本人がだめでどうしようもない」「強い者には従わざるを得ず、どうしようもない」、「どうしようもない人間」の「どうしようもない原因」は色々で、そこから脱出しようと懸命に努力する者もあり、努力しない者もあり、しかし「どうしようもなさ」から脱出できないのは同じです。「どうしようもない」話ばかり読んでも「どうしようもない」かと思うとそうではなく、「人は皆どうしようもない哀しさの中で生きている」という話が「明日もまたどうしようもない世の中を生きてみようか」と気にさせてくれるから不思議です。文体は文語体で難しいですが、登場人物の口語体との掛け合いも含めて、非常に軽妙なリズムを生み出していて、一つの文章が延々2ページ続いたりするにも関わらず、気持ちよく読めます。図面も含めた非常に多くの注が各ページの下についているので、当時の生活や中国・日本の歴史書の知識が理解に必要な箇所も話が解ります。この点は編集者の努力と執念に拍手を贈りたいです。それにしても、芥川や漱石の描く現代人と違い、同時代の一葉の描く庶民はまるで江戸時代の人たちの様、戦前の階級格差にも驚かされます。 |