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芥川龍之介全集〈2〉 (ちくま文庫) |
| - 筑摩書房 価格 ¥ 840 | |
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芥川龍之介全集〈2〉 (ちくま文庫)筑摩書房 価格(new/used): 840 円 / 543 円 より 発売日: (1986-10) アマゾン売上ランキング: 169546 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件 短編「枯野抄」のアイロニー「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」は芭蕉の辞世の句として伝えられるが、実際は死ぬ5日前に作ったものである。その間のことを書いた文暁の「花屋日記」を参考にしながら、芥川は門弟が集まって師芭蕉の終焉を迎えた時の心理をそれぞれ書き分けている。 其角は瀕死の芭蕉に、ほとんど何の悲しみもなく、最も堪え難い嫌悪の情ををもつ。去来は満足と悔恨とが交錯し、人が良くて小心な彼の気分を騒乱していた。それも、親に仕えるつもりで師の看病を続けていたからである。支考はちらりと閃いた苦笑をするような、辛辣なところがある。丈草は老実で、つつましく伏し目になって何やらかすかに厳か。 そのように、師匠の終焉に侍しながら、かれら門弟たちはそれとは関係ない利害打算に左右されていた。 自分たち門弟はみな師匠の最後を悼まずに、師匠を失った自分たち自身を悼んでいる。枯野に窮死した先達を嘆かずに、薄暮に先達を失った自分たち自身を嘆いているのではないか、と支考は厭世的になりながら、しかもそれに沈める自分に得意になっているのだった。丈草もまた、久しく芭蕉の人格的圧力の桎梏に、空しく屈していた彼の自由な精神が力をえる解放の喜びがあった。 俳諧の大宗匠は「悲嘆限りなき」門弟に囲まれて臨終を迎えたという芥川一流のアイロニーで一編を結んでいる(雅) 芥川の初期の名作集蜘蛛の糸、地獄変など初期の名作が多く含まれ、価値ある一冊である。自分は晩年の作品より初期のもののほうが好きなのだが、全集<2>の中では、奉教人の死が特にすばらしいと思う。芥川好きには必読の一書。 |