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刑法綱要総論 |
| - 創文社 価格 ¥ 5,775 | |
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創文社 価格(new/used): 5,775 円 / 2,576 円 より 発売日: (1990-06) アマゾン売上ランキング: 201649 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 5件 「プロトタイプ」本書は、改めて申し上げるまでもなく、 刑法学界の最長老の手になる刑法総論の教科書です。 現在スタンダードとなっているであろう、 井田先生、西田先生、山口先生などの教科書のいずれもが、 至るところで(団藤○○○頁)として本書に言及しています。 すなわち、最先端ないし基本的な議論のほぼ全てが、 本書を基点になされているといってもいいのです。 そういう意味で、本書や平野龍一「刑事訴訟法」(1958年!)は、 学説の発展にロマンを感じながら学びたいような方には、 3冊目くらいとしてお勧めの、脅威のロングセラー教科書です。 金字塔刑法理論は団藤先生の人格責任論につきる。それは様々な事例の解決にあたって、他のいかなる理論よりも、最も的確妥当に判断されることからも明白であろう。こうした見事な理論形成の背後には、「人間性」というものに対する団藤氏の正確無比な洞察がある。人間の不完全性を見据えながら、性悪説にも性善説にも偏らぬバランスの取れた理解がなされている。刑法理論にも一種の「流行」とも言うべきものが存する。が、一時流行し団藤理論を超えたかに見えても、大抵行き詰まり、失墜する。単に頭脳明晰なだけでは駄目なのだ。 刑法では最高5次元方程式の解を導いたことで知られる数学者アーベルは、偉大な学者になるための条件を聞かれこう答えたと聞く。「偉大な師の書物から直接学べ、その弟子からではなく」私は、この言葉を金科玉条のごとく信じていたが、刑法学については学説の進化が激しいとか、現代的解釈が大事だとか、そのような妄言に煩わされて自分を見失っていた。大谷説、大塚説と遡り、ついに団藤博士の本にたどり着いた今、アーベルの言の正しきを知るのである。団藤博士が短い言葉に込められた深遠な意味、その定義にたどりつくまでの論証の論理性、底辺を流れる人間性への愛と信頼。すべてが素晴らしい。行為無価値を採ろうとする学習者には、最初にこれを読むことを勧めないわけにはいかない。いきなり大谷先生の本を丸暗記しようとするより、はるかに刑法が理解できると思う。私は、定義についても、大塚博士や大谷教授の言い回しではなく直接、団藤説の言い回しを使おうと思っている。その理由は、本書を読めばわかるはず。人間性を重視しながら、論理性は現代の第一線の先生より徹底していると私は感じる。一部には分量が多く通読が困難との批判があるようであるが、他のレビュアーが正当に指摘されるように、注釈が多いことに加えて、行間隔の大きさ、スペースの大きさからして、中身はとても薄い。その意味では、現代的な論点にはとても弱い。たとえば、不作為犯など現代の理論からは耐えられないほど未熟である。しかし、その欠陥を踏まえても、発行部数の少なさ故によるのか高額な点を踏まえても、なお、平野博士の刑法概説と並び、5つ星に認定する。なぜなら、この本だけで勉強を終わらせる人間はいないから、その点は問題にならないからである。そして、他の本にはない絶対的な輝きがあるからである。なお、結果無価値の現代の各種の本との比較は無意味なので、ここではしない。 人格責任論の提唱者団藤先生のこの本は日本で非常に広く多くの方に読まれているのではないでしょうか。刑法初学者にとってもわかりやすい内容になっていると思われます。刑法の勉強をするにあたっては、この本を読むことが他の学者の本を理解する上で必要だと思われます。刑事責任を問う上で、どの程度まで過去を考慮しえるのか、みなさんはどのようにお考えでしょうか?刑罰の厳罰化にも、その逆方向にも進みえる人格責任論とはいかなるものか…。死刑制度や刑罰論に興味のある方は、一度この本を手にしてみたらいかがでしょうか? 刑法総論の金字塔刑事法学,否,本邦法学界の長老格大学者の概説書にして主著の一つである.本書が刑法総論の概説書の中で最高水準の完成度の一つであることは,東大教授,最高裁判事等を歴任された著者の経歴からも推し量ることができよう.実際にその通りだ.学問も実務も,戦後の刑事法は,未だ団藤先生と平野龍一先生が築いた枠組の中にあると言っても過言ではない.学者にしろ弁護士にしろ,刑事法に関わる人で本書を読んだことがない人の存在は寡聞にして聞いたことがない.そういった位置付けの著作である. 本書を紐解けば分かるが,最近の親切な概説書と比較すると,やはり敷居は高い.初心者は講義を聴くか副読本を併用するかしないと,本書を「基本書」として使いこなすことは困難だろう.ただ,本書は大部分で,詳細な注と参考文献列挙にかなりの紙幅を費やしている(この点は著者の学者としての凄みを窺う事ができる)ので,実質的には三分のニ位の頁数である.本文だけなら,慣れれば一読する時間はそれほどかからない. 余談だが,本書の面白いところは,他説批判を展開する際に日本人学者の見解を批判するのではなく,その日本人学者の理論の輸入元である本家ドイツ人学者の見解を直接批判する形式を採ることにあると思う.最近の概説書はそんな「典雅」なこと(回りくどいこと?)をあまりしなくなっている.これを本邦刑事法学界の「成熟」と見るか「退廃」と見るかは,議論の分かれるところだろう. |