権利と人格―超個人主義の規範理論 (現代...

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権利と人格―超個人主義の規範理論 (現代自由学芸叢書)


創文社

価格(new/used): 3,990 円 / 1,383 円 より
発売日: (1989-07) アマゾン売上ランキング: 168953 位
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対立する道徳論の統合の試み
欧米では、個人主義思想を基調とした権利中心主義と、功利主義思想を基調とした結果主義という、二つの道徳論の対立がある。以前からジャーナルで森村氏の論文を拝見していたが、こうした道徳論の対立を整理し、批判をして、なんとか統合的な解決の理論へ上げようという試論ということで興味深く読んだ。実際、著者自身も前書きでその決意を述べている。

全体に非常によく分析されてはいるが、各ジャーナルでの論文を寄せ集めたので、著者の人格の同一性という基調がある以上には、各章各節間の統一性をある程度欠いていることは、否めない。むろん広い意味での道徳とか人格とか責任といったテーマを立てて、章立てすると、相互の関連性はあきらかであるのだが、各章各節で立てた自問の回答同士の連関に㡊??、章を隔てると連関性が希薄になっている。その意味では、森村氏の博士論文となった(たぶん)「ロック所有論の再生」には、緻密さでは及ばない。

この批判の文脈で言うと、道徳論の統合の試みや批判の手法として、当然なされるべきであろうと、私など期待していたところがあって、それは心理学に入って考察するべき箇所であったのだが、それを避けたために、考察が浅くなっていた。具体的なページ数は明記しないから、読者自身で探してもらいたい。他にもいろいろマイナス点はある。

第一部第五章で著者は、パーフィットの人格論から得たフレームワークを展開しているが、これは「理由と人格」翻訳の偉業を達成された成果のひとつであろう。大部かつ高価な翻訳書「理由と人格」は、非常に難解ではあるが、!推薦できる。