サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

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サヨナライツカ (幻冬舎文庫)


幻冬舎

価格(new/used): 520 円 / 1 円 より
発売日: (2002-07) アマゾン売上ランキング: 9789 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 98件

評価します
辻一成氏の小説のすべてが好きだとはいいませんが、この作品はかなり入れ込んで書いたなと思わせる何かが感じられます。自分の人生をかけて書いた作品だと思っていいでしょう。
他のレビューを見ると、リアリティがないとか、何十年も思い続けるなんて男の身勝手だとか、単なる欲望だの云々とおっしゃってますが、リアリティがないからこそ小説の世界にのめりこむものではないですか?同じ男性を何十年も思い続けるなんて無茶だ。そう、ほぼありえない。だからこそそんなことがあれば人生ってなんてエキサイティングなんだと思う。
人は、家族を愛する深くかけがえの無い愛情のほかに、言葉では表せない異性への熱情に遭遇することがある。これまで信じて守ってきたいっぱしのモラルを一瞬で崩壊させるような熱情に出会う時、私はどうするんだろう。
私は3回続けて泣きながら読みました。
悩んでも迷わなければいい
辻仁成のこてこての「恋愛小説」です。
今度、「私の頭の中の消しゴム」のイ・ジェハン監督が中山美穂で映画化すると言うことでなければ、手にしなかった本だと思います。

この中に出てくる詩の一部
「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思いだすヒトにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す」

この小説に登場する人たちは、ほとんどこの「愛したことを思い出すヒト」だろう。

約三分の二に及ぶ第一部は、“青少年”豊と謎の女沓子との狂おしい愛の4ヶ月です。
そして、この4ヶ月が二人にとって、人生のすべてになってしまう(特に沓子にとっては)のですが、ひょっとすると、この結婚前の4ヶ月と言う制限付きの愛であったから、一層燃え上がったのかも知れません。
と同時に、二人が別れるとき、本当にこれが人生最高の愛の時だと気付いていなかったのかも知れません。
閉ざされた愛は、記憶の中で永遠となってしまったかも知れません。

それにしても、豊の親代わりとも言える滝沢ナエの言葉が重く響きます。
「悩んでもいいけれど、迷わないで欲しい」
「後悔ばかりが残る人生だけは、選ばないで欲しい」
「迷い、堕落する時はある・・・そういう苦しい堕落を経験した人間は必ず正しいものを見抜く力が宿る」

二人は、正しい決断をしたのでしょうか?
もし、再会の機会がなければ、後悔の人生を歩んだということになったのではと思います。
作者は、ここで「神の手」を差し伸べ、二人に幸せな愛の完結をもたらします。

こんな愛の経験を持てる人が、どれだけいるのでしょうか。
サヨナライツカ
タイトルでもあり、文中にも出てくる「サヨナライツカ」と言う詩。

愛されることを願うのか、愛することを望むのか。
自分の過去の恋愛について、色々と想い出し切ない気持ちにさせてくれます。

特に20代半ば以上の女性には響くと思います。

大多数の男性にはあまりピンとこないだろうけど、ちょっと気になる女性との会話には使えるはず。

小説として読むことはあまりお勧めできませんが。。。
やっぱり好きになれない
「冷静と情熱のあいだ」を読み、江國さんに共感できたものの辻仁成には共感できなかった私です。
その後も読まず嫌いは良くないと彼の作品を図書館で借りて何冊か読みましたが、やっぱり共感できませんでした。

今回は、この作品が映画化されると聞き、久しぶりに彼の作品を読んでみました。
しかし、私には陳腐な作品としか思えませんでした。

何人かの方もレビューされていますが、作家自身が自分の理想の恋愛を読み手に押し付けてくるような、まるで自己陶酔しているようにしか思えないのです。
たしか、この作品は作家が現在の妻であり、今回の主人公に配役された女優さんと出逢ったころにも映画化の話があったはずです。
そのときに彼が彼女に初対面で言ったのが「やっと逢えたね」だったと記憶しています。

今回、この作品を読んでの私の唯一の感想は
「な〜んだ、ツジジンセイはミポリンに逢ったときに自分を豊、彼女を沓子と思っていたのね」
だけでした。
(昔、彼はヒトナリではなくてジンセイという名のロッカーでした)



ナル男性の描いた恋愛小説…
というのが私の第一の感想です。
滅多に恋愛小説を読まないのでたまにはいいかな〜(映画化されるらしいし)
と思って読みましたが、なんだか男性(作者)の一方的な理想(妄想)を描いているに過ぎない感じがしました。
女性の側から同じ境遇の2人を描いたら全く違う作品が出来上がるんじゃないかな。

ここでは評価が割といいようなので驚いています。
私の心が枯れてしまっているということなのかもしれません。

恋愛小説にどっぷりはまりたい人にはお勧めなのかも。

でもよほど【東垣内(ひがしがいとう)】という苗字が作者が気に入っているのかわかりませんが、やたらと【東垣内豊は…】というクダリが出てきてうるさい感じがしました。
【豊は…】だけで良さそうな場面でも頻繁に出てきます。

恐らくこの作家の作品はしばらく私は読まないですね。