ガラスのうさぎ

- 金の星社 価格 ¥ 1,155
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ガラスのうさぎ


金の星社

価格(new/used): 1,155 円 / 139 円 より
発売日: (2000-03) アマゾン売上ランキング: 50313 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 5件

忘れられない本
 確か小学校5年ぐらいで読みましたが、30代になった今も印象深い、数少ない本のひとつです。
 東京下町で仲良く暮らしていた少女の家族。大相撲やお祭り。しかし兄2人は出征、母と妹2人は東京大空襲の犠牲になり、死体もついに探し出せなかった無念。事業を地方で再開しようとしていた父までが、機銃掃射で亡くなり、少女が葬式を出すことになります。父と一緒に行った駅での、運命を分けた一瞬。大好きなお父さんを失った悲しさにひたってばかりもいられず、医師から遺体の銃創の様子を聞き、火葬のための薪の手配に奔走。「私がしっかりしなくては」と思う少女のけなげさ、親がそっと遺してくれていたお金、つらい生活の中でも周囲の人たちが見せてくれた人情などが印象深いです。
 また終戦後は復員した兄たちと再会、学生生活のささやかな楽しさなどに救われます。不思議とさわやかな読後感は、筆者が失った家族を悼みながらも、新体制の日本に筆者が見いだしていた希望が伝わるからと思います。
 
 太平洋戦争の最後の半年ぐらいの間に、当時の子供が味わった辛酸を教えてくれる名著。今も世界のあちこちで空爆は行われ、民間人が犠牲になることも多い。これからの子供達にも読んでほしいと願っています。
今この瞬間にこそ
いかなる理由も戦争を正当化することはできない。またいかなる理由も殺人を正当化することはできない。戦争とは”合法的”という偽りの衣に包まれた国家による殺人である。合法的?これほど卑怯なことは無い。戦争を決定する権限を持つ者は、合法的と宣言するのではなく、これは最悪の犯罪であり、自分はこの罪により地獄に落ちると宣言し、攻撃命令と同時に自ら前線の一番前に立つべきなのである。しかし実際にはそのようなことは起こらないし、またそのように考えれるなら、本来的に戦争など起こりえない。現在の人類の秩序が安定であるためには、多くの人を殺した人、戦いに勝利した人は、英雄と褒め称えられなければならないのである。この不条理、この理不尽は誰もがが常に意識しておかなければならない。この物語は、戦争という現象が12歳の少女に引き起こした個人的事実が綴られたものである。少女の視点で語られる数々の出来事の悲惨さは、読む以前にもたやすく予想できることではあるが、その心構えをもってしても、その少女の思いに激しく胸が揺すぶられ打ちひしがれてしまう。この物語は過去の歴史ではなく、正に今現在の瞬間を語っていると言える。そして日本国憲法第9条が、いかに崇高で尊いものであるかを再認識させてくれるものである。
ノンフィクション
小学5年生くらいの時に読みました。何に驚いたって、この話がほぼノンフィクションであるということにかなりショックを受けました。(読んでるときは気付いていなかった)。そしてショックを受けた自分に対してまたショックを受けました。戦争の本はけっこう読んでいたのですが、頭のどこかに「お話の世界、自分とは無縁の世界」という概念があったのですね。自分と同年代の少女が実際に経験し、今もまだ生きており、この本を書いたという事実が、本の内容と共に重くのしかかりました。
フィクションの戦争ものというのは、やたら戦争の悲惨さばかりを強調し、かえって嘘臭く説教臭くなってしまいがちですが、ノンフィクションはその時々の事実や心情だけが淡々と語られており、読む人にせまるものがあります。
よくわからないままにはぐれ、亡くなってしまった母親と妹、疎開先での作業の辛さ、ようやく一緒に暮らせるようになった矢先に、目の前で機銃掃射を浴びて死んだ父親、その遺体を焼く薪を用意するために、1人で近所中をかけずりまわらなければならなかったこと。戦争が終ってからは、憧れのセーラー服を借りてラジオの歌番組に応募したことなど、少しずつ明るい話題もあって、少しほっとするとともに、物語のリアルさ、自分と同じ少女達なんだという実感がしみじみ伝わってきました。
せっかくの児童書なので子供達になるべく自然な形で読んでほしいです。頭ごなしに「戦争はまちがってる」という大人の意見を押し付けるのでなく、実際に体験した人、それも当時子供だった人の体験談は、どんなにか子供の心を打つと思います。
戦争を知らない人たちへ
イラクへの派兵が政府の面子をかけて進んでいます。私達は戦争を忘れてしまいつつあるのでは無いでしょうか。この本は家族をみんな戦争で失ってしまった著者の子供の頃の思い出のお話です。押さえた筆致が、却って生々しく戦争の本当の姿を教えてくれます。最新鋭の兵器や武装した軍隊や政府の宣伝に惑わされがちな私達ですが、もっとふだんの生活に密着した戦争をしっかり見つめてみる必要があるのでは無いでしょうか。子供から大人まで必読の一冊です。
感動もん
感動できます。しかし子ども向けっぽいので大人用も欲しいかな。戦争の残酷さがにじみでてます