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蕨野行 (文春文庫) |
| - 文藝春秋 価格 ¥ 500 | |
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蕨野行 (文春文庫)文藝春秋 価格(new/used): 500 円 / 1 円 より 発売日: (1998-11) アマゾン売上ランキング: 171145 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 6件 引き込まれます新聞の書評をみてぜひ読んでみたいと思ったが、いざ手に入ると姥捨てのテーマが重くてしばらく読まなかった。 でも読み始めると一晩で睡眠も忘れて読み終えた。 この物語の中にもある「生まれかわり」とか「霊」とかってあるんだろうかと思っていたが、現在の街の生活ではあまりふれることのない生と死が身近にあった時代、土地ではありえたことなのかなと思える。 生まれて、生きて、老いて、死んでいくことはあたりまえで、いやなことではないのだと思わせてもらえるありがたい一冊です。 嫁と姑の相聞歌解説で辺見庸氏も語っているように、「お姑よい」「ヌイよい」で始まる姑と嫁との「心の対話」が、和楽器で奏でられる「長編詩」のように快く感じられる作品でした。嫁と姑の「相聞歌」と言うと意味が可笑しくなりますが、そう言いたくなるような二人の間の愛情、信頼関係を窺わせる話になっていました。従って、ヌイの女児としての転生を暗示するあのラストは、必然ということでしょう。 ワラビの団体としての生活ぶりも印象に残りました。里との関係を絶たれ、独立した生活を強いられて、その後の逞しいというか、最後の「生きる」ことへの執念。しかし、それは「死」というものを前提にした「生」への一生懸命さでした。その中でのエピソードにおいても、早くから村を捨て山に入った妹の誘いを断るシーンや、「死」を目前にしての「愛」の告白など、胸にジーンとさせられる場面も多くありました。 単なる「姥捨」に止まらない、もっと普遍的なものが多く含まれた素晴らしい作品でした。 詩が生まれ、唄が出来る心地よいリズムの文章がちりばめられ、物語が展開していく。 悲惨な哀しい内容なのに、そのリズムのためだろうか、気がついたら読み終わっている。 この才能は天賦のものなのかもしれない。 久しぶりにじっくりと考えさせられる本に出会った。 本ってすばらしい。だって・・・こんなに引き込まれる本にめぐり合えたのは何年ぶりだろう。どんな本にも心を揺さぶられることがなかなかなくて、それはきっと自分の感性が錆びついてきたからだろうと諦めかけていたのだけれど・・・。 とても凝った表現なのに、季節や景色、人の面持ちや心持ちが、これ以外には表現できないのではないかとおもうほどに、そこにすとんと収まる。 誰もが知っている「姥捨て」という重いテーマを通して、生きることのせつなさと凄さを真っ直ぐに投げてくる。 本ってすばらしい。だって、読むことで生きる力が湧いてくる。 納得して本を閉じることができる姥捨て、間引き…。凶作続きの貧しい山村では珍しくなかったであろうシビアな事実が、当事者の生活の一部として当事者によって語られる。傍から見ると残酷に映るこれらの風習を、具体的な背景や暮らしざまを伴わせることで、次第に一つのやむをえない選択肢として読み手に理解させるような説得力を持つ。「生きる」ことの面白み、憐れなだけではない「死にゆき方」を捨てられた側の立場から丁寧に描いている。「死」以外にありえない結末を曲げることなく、しかし希望的視点でとらえたラストの展開のおかげで、思いがけず幸せな気持ちで本を閉じる事ができる作品。 |