黒魔術の手帖 (文春文庫)

- 文藝春秋 価格 ¥ 560
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黒魔術の手帖 (文春文庫)


文藝春秋

価格(new/used): 560 円 / 100 円 より
発売日: (2004-02) アマゾン売上ランキング: 112830 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

恐怖の詩情
もとより、あくまで『手帖』ですから黒魔術に関する知識がことごとく網羅されてもなければ入門の書としてもふつつかでしょう。
この本は黒魔術の面妖なる神秘の集積を借りて、あなたを幻影と現実の狭間、あるいは、もっとも幻影に近い現実までいざのうてくれましょう。
ノストラダムスの時代に望遠鏡は無かった
『黒魔術の手帖』です。現在ではゲーム等の影響で、異世界ファンタジーも広く世間に浸透していて、黒魔術、白魔術なんて用語も、さほど違和感無く使われることもあるかもしれません。
いかにも怪しい雰囲気の漂う黒魔術ですが、実際の歴史上はどのようなことが行われていたのか、というと、実はあまりこれといった史料が無いです。
そんな中で本書は、黒魔術研究に関する入門史料として、あるいは単純に読み物として楽しめます。
かつて雑誌に掲載されていた、ちょっと長めのコラムの文章を集めた感じ、と考えていただければいいです。だから読み易いです。

内容は、オカルトではありません。
いや、黒魔術だからオカルトだといえばそうなのですが……○と×と△を大釜で茹でれば媚薬ができる(断言)、というものではありません。
史料に基づいて○○年頃、□□という人物がどういう儀式を行った、などという記述がメインです。まあ、一次史料の中で「悪魔と契約した」と書いてあっても、それがどこまで本当かを検証してはいませんが。
扱っている内容も、カバラ、占星術、タロット、錬金術、サバト、黒ミサなど、広く黒魔術とされるものをおおむね網羅しているといえます。
魔術の世界に、ちょっとだけ興味がある人へ。
 澁澤龍彦『黒魔術の手帖』は、20年前に既に文庫化されており(河出文庫)、現在も版を重ねているメジャーな作品なのですが、本書はその新装版です。

 新装版の特徴は、単行本にあった著者序文(河出文庫版には無かった)が収録されていること、そして何と言っても、ロリータのカリスマ、嶽本野ばらによる解説が付いていることでしょう(ロリータと言っても“ロリコン”のロリではなくて“ゴスロリ”のロリです、かなり違うので念のため)。

<澁澤のテクストの最大の魅力は、ディレッタンチック(つまり、チョー趣味的)でペダントリー(つまり、衒学的…学識上位のスノビズムとでも訳すが適当か?)な舌足らずさにあります。>

…と始まる嶽本の解説をどう感じるかは人それぞれでしょうが(まあ感じ方以前に、何でペダンティックじゃなくペダントリーなんだ、とか、スノビズムって訳せてないじゃないか、とか突っ込みたくなりますがそれはまあいいや)、どちらにしても、「オカルトにのめり込むつもりは無いけどちょっとだけ黒魔術の世界を覗いてみたい」という人(そこにはゴスロリな人々の一部も含まれるのかもしれませんね)にはお勧めの本書。魔術関連の本というと、実践法や思想やエピソードの単調な羅列になりがちですが、澁澤の興味のままに綴られた軽妙な文章は単調さとは無縁です。もとが雑誌連載ということもあり、ひとつの章の分量も多すぎませんし。
 また、同著者の『世界悪女物語』もおすすめです。