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手紙 (文春文庫) |
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手紙 (文春文庫)文藝春秋 価格(new/used): 620 円 / 50 円 より 発売日: (2006-10) アマゾン売上ランキング: 503 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 190件 人は何のために手紙を書くのか?本作は、犯罪加害者の親族という十字架を背負うことになった青年の、 過酷な青春と自立を描くものです。 卒業間近で成績も良い高校生の直貴は、孤独な再出発を余儀なくされる。 大学進学を断念し、その日の糧を得るために働きに出る。 人並みの青春を送りたい、己を向上させたい、素敵な女性と出会いたい…。 誰もが描いて当然の人生計画を頓挫させるのは、 服役中の兄から送られてくる手紙、そして、兄の存在そのものであった。 ひたむきな努力と持ち前の才能や容貌、 反面、兄のせいで不条理な差別にぶつかることの繰り返しから生ずる卑屈さや諦念…。 直貴の青年期の激動は、たしかに紋切り型の一面も見られるし、 特に朝美とのくだりは単純に嫌悪感を覚えずにいられないのですが、胸を打たれます。 ちなみに、由美子というかけがえのない存在が常に伴走してくれる点については、 ちょっと恵まれ過ぎではないの、と言いたくもなります(笑) なお、重大な意味を持つ後半の平野社長の差別論、 また、始終顔を出す世間の反応については、私自身消化しきれない部分もあり、 再読する機会があれば、よく考えてみたいと思います。 最後に、兄弟それぞれにとっての手紙の意味合いに気づかされる終盤、 特に兄の受ける衝撃については、悲しくはあれど最も感動させられました。 この差別が事実なら、やはりなくすべきなのだ小説としては非常に面白く、読み出したら止められなくなって、 一晩で一気に読んでしまった。色々な面から深みがない、浅いという 評価も多いが、面白いか面白くないかで言えば間違いなく面白い本だ。 しかし読み終わって、どうしても納得のできないことが一点残った。 例の差別についてである。 東野圭吾が本気でそう言いたかったのか、単に小説の材料として使った だけなのかは定かでないが、「犯罪者はその家族も含めて社会的な 罰を受けるべきで、それが犯罪の抑止力となる」という主張がされて いる。これだけはどうしても受け入れられない。 私はこの世に生を受けてからもうじき50年になるが、幸か不幸か身内に 犯罪者がいるという人と接する機会はなかった(あるいはいたのかも 知れないが、それを告白されたことは当然だが一度もなかった)。 だからこのような差別があると言うことをにわかに信じられないのだ。 確かに今の世の中、面倒なことには関わり合いたくない、自分のトクに ならないことには距離を置く無関心な人々は多いだろう。また、実際に 世の中には様々な格差があり、決して平等ではない現実も知っている。 口では奇麗事を言っても、いざ自分に関わることとなったらあっさりと 差別をする人がいることも知っている。私だって正直に言えば、そういう ことが皆無だとは言い切れない。しかし決して多数ではないが、世の中の 矛盾に関心を持ち、立ち向かって行こうとする人々がいるのも間違いのない 事実なのだ。 例えどんなに抑止力になろうとも、犯罪を犯してもいない犯罪者の家族が 社会的制裁を受けるというのは間違っている。こういうことで犯罪が 抑止されているというなら、それは暴力すなわち力による抑止である。 こういう事がもし本当にこの日本で行われている(それも無意識に)と すれば恐ろしいことだ。私たちはそれを認めてしまうべきではない。 犯罪者本人だけでなくその家族も不幸になって欲しいというようなことを 本欄に書いた人がいたが、私にはその意見に何の正当性も見つけられない。 犯罪者の家族が社会から何の差別もなく生きていくことは、現実的には 難しいだろう。しかし私たちはそれを公に肯定すべきではない。やはり 長い目で見れば、否定し是正していくべきなのだ。例え犯罪率が少々 上がって世の中が物騒になったとしても、自分が犯してもいない罪で 社会的に罰を受けるような世の中より遙かに良いではないか。 ドラマの脚本?読みやすくて引き込まれるけれど、一度読んだらもういいかなと思いました。そういう点でドラマっぽい本です。 すなわちこの本には奥行きが感じられません。登場人物の心情を丁寧に説明してくれる代わりに、こちら側がそれ以上想像する余地を遮断しています(たとえば恋人の父親に主人公が「つきあっていたことを言いふらす」と言った時の、父親の表情が変化する様の描写など)。結果的に、登場人物が全て「この人はこういう人なんです」という状態になってしまっています。また、意識的なのかどうかわかりませんが、情景描写が乏しいのも作品の平坦さに拍車をかけています。何度も読んで、「この人はこの後どうしたんだろう」だとか「この人はこのときどんな気持ちでこの言葉を言ったんだろう」などと考えることはないです。 この作品は社会問題にメスを入れるためのストーリーではない(社会派小説としては現実性に乏しい箇所が多いので)と私は理解していますが、そうであるならばエピソードを少し減らしてでも人物やその心理描写にもっと深みを出してほしかったです。 差別について考える私個人の感想としてはあからさまに感動を促し涙を誘う小説ではないように思う。したがって、感情移入をして泣きたいがためにこの小説を読むと期待外れに終わってしまうのではないかと思う。だが、この小説が取り上げているテーマは重要なことである。普段ワイドショーなどで頻繁に人々の不幸が伝えられる。あまりにも頻繁過ぎてその事実の不幸さを油断すると忘れてしまう程である。この小説では、そのような犯罪が一つ起こることによりその被害者のみならず加害者にも多大な影響が与えるのかということを再認識させてくれる。また、日頃全ての人は平等であり自分は差別などはするはずがないと思っている人はこの小説を読んだ後、より深く差別について考える機会を持てるのではないか。 暗くて深く重いストーリー最近のニュースを見ると殺人事件が毎日のように報道されているので殺人犯の家族はどんな立場にたたされるのかという事が重く伝わってくる物語です。犯罪者の家族もその犯人と同じく社会から痛烈に差別されてしまう運命にさらされてしまう事で自分ならこの物語の主人公の様に強く生きていけるのかとても考えされられました。とても重く悲しく救いのないストーリーですがとても心をうたれました。この本をきっかけに東野さんの本を読むようになりました。 |