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考えるヒント (文春文庫) |
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考えるヒント (文春文庫)文藝春秋 価格(new/used): 590 円 / 415 円 より 発売日: (2004-08) アマゾン売上ランキング: 18536 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 7件 質の高い教養日本屈指の批評家、小林秀雄。 国語の試験などで取り上げられることも多いので、そちらでご存知の方も多いのではないかと 思います。 他のレビュアーも指摘していますが、「世の中の出来事に興味を持ち、深く考察をしていく」事に興味がある方向けです。 エッセイ風の書き出しから、核心に迫る筆はさすがです。 質の高い教養を得ることができる 名著です。 ヒントを生かす本書は、読者に新鮮な視点を提示する「考えるヒント」、 それより、もう少し軽い感じの「四季」、 最後にソヴィエト紀行の三部で構成されています。 江藤淳の解説に 「読むほどに、かつてないようなかたちで、精神が躍動しはじめるのを感じておどろくにちがいない」 とあります。言い得て妙だと思います。 なるほど、この本で提示されているのは「物事を考え抜いた上で捕らえた視点」。 その視点から物事を眺めれば、どんなことでも新鮮に映ります。 粋で清冽な人柄を感じさせる文体に引き込まれます。 今でもこの巨人を崇拝する知識人が多いのも納得できます。 読んだことがない人はもちろん、受験時代に読んでしまった人も再読することで 得ることが多い、おすすめの作品です。 堀江謙一の「太平洋ひとりぼっち」と岡潔の「春宵十話」が取り上げられているのが 個人的にはうれしかった。 俗中の真最近、「新・考えるヒント」という本が出て、改めて注目されたのも記憶に新しい。そちらも読んだが、文章の風格という点で、やはり本家には及ばない。その中でも引用されている語句を用いて言えば、晶子女史の批評精神は患者側ではなく、医者側のものである。小林は近代の毒を若いころに飲んでいる。晶子女史もまったくのオリジナルの著作のほうが私はいいと思う。小林に惚れているのはよくわかるのだけれど。 小林のものは、文体は平易でさりげなく書かれているが、実は深い文明批評集になっている。どれもいいが、特にプラトンやヒトラーを扱った文章は秀逸。小林の発想は公式的思想からされていないから、いつ読んでも新鮮である。言わば、ここでは文体が思考している。すぐ古びるような固定観念が押しつけられた文章ではない。契沖の言う「俗中の真」を具現化したのが、この「考えるヒント」である。たとえば、「人を笑うのだけが笑いではない。子供ならみんな知っている。生きるのが楽しい、絶対的な笑いもある。いよいよ増大する批評的笑いの不安と痙攣との中で、この笑いを、恢復しようとしたのが、ディズニーの創作であった」(「漫画」)という一節。小林以外の誰が日本人として、いち早く、ディズニーの本質をこれほど的確にとらええただろうか。 活字を新装版で大きくしたのだが、余白とのバランスはいまいち。読みやすさとは活字の大小だけで決まるのではない、ということを配慮してほしいと感じた。 「口ではいえない」のなら書かなきゃいいのに。「お月見」という章の冒頭、《十五夜の夕に京都の嵯峨で行なわれた月見の宴に同席したスイス人が、「今夜の月には何か異変があるのか」と怪訝な顔附で質問した。》という内容の、知人の体験談が紹介される。これについて小林氏は言う。「スイスの人だって、無論、自然の美しさを知らぬわけはなかったろうし、日本にはお月見の習慣があると説明すれば、理解しない事もあるまい。しかし、そんな事は、みな大雑把な話であり、心の深みにはいって行くと、自然についての感じ方の、私たちとはどうしても違う質がある。これは口ではいえないものだし、またそれ故に、私たちは、いかにも日本人らしく自然を感じているについて平素は意識もしない。たまたまスイス人といっしょに月見をして、なるほどと自覚するが、この自覚もまた、一種の感じであって、はっきりした言葉にはならない。スイス人の怪訝な顔附が面白かったで済ますよりほかはない。」(179ページ)。 たった一つの逸話(しかも他人からの伝聞)で、よくもここまで大風呂敷を広げられるものである。そもそも、この時「日本にはお月見の習慣がある」という説明は行なわれたのだろうか。「顔附が、いかにも面白かった」で済まされているところを見ると、そうした説明をしてあげもせず、この知人はスイス人を笑い者にしているのだろう。そんな意地悪を黙認しておきながら、「いかにも日本人らしく自然を感じている」などと悦に入る小林氏の傲慢さが不愉快である。また、この晩は「十五夜の夕」なのである。「異変」とまではいかないが特別な意味を持った月夜である点においてスイス人の推定はある程度当たっているではないか。小林氏は、こうした思考は働かそうともせず、「心の深み」、「口ではいえない」、「はっきりした言葉にはならない」といった曖昧な逃げ口上を並べ立てる。典型的な「エピソード主義」(『日本人論の方程式』158ページ)の手口である。 極めて読み易い小林秀雄の文章は受験問題や教科書に出てきて 難解という印象があります。 また文庫本の場合、活字が読みにくいという傾向があります。 (版がふるいため) 常識、平家物語など極めて内容が深いです。 改訂版のため活字が大きく読み易いです |