昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の...

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昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか (文春新書)


文藝春秋

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発売日: (2007-12) アマゾン売上ランキング: 7872 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 13件

いつの時代も組織の欠点は同じ
陸軍にも海軍にも優秀な指導者はいた。
陸軍の永田鉄山・栗林忠道や(異論はあるが)石原莞爾等、海軍の山本五十六・井上成美や米内光政等。
彼らが全うにその知識経験を活かし活躍することができたならば、昭和の歴史も大きく変わっていただろう。
しかし、そうはいかなかった。
同じ軍隊であっても陸軍と海軍の縄張り意識や世界観に対する認識の違いが大きく、全く両軍は意思疎通ができていなかったこと。
陸海軍の中でも、国家の為ではなく自らの組織のために動いてしまう官僚的な組織。
出る杭は打ってしまう悪しき慣習、等々。
よく考えてみれば、今の日本のお役所と同じ状況である。

東条英機も官僚としては一流だが、指導者としては三流なんだな。
今の政治家でも官僚上がりはいま一つ指導者としてはダメな状況である。
結局、敗戦という大きな犠牲を被っても日本という国の上層部の本質は変わらないということを改めて認識できる本でした。
「軍国主義」と「帝国軍人」
戦前は「軍国主義」の時代であり、軍人は「軍国主義者」、だから「失敗」したというなら話は簡単で、ある意味安心なのですが、この本はもっと普遍的な「問題」を指摘しています。

「派閥抗争」や「エリート主義」「前例主義」「点数主義」などです。

軍隊内部の「問題」だけが「敗戦」の「原因」ではないと思いますが、この本を読めば「帝国軍人」に対する印象が変わるのではないでしょうか。
経営者は読むべし
新味はないが人事の破綻が組織を壊すという実例だ。経営者は必読だろう。大半の官庁、企業など日本型組織の多くは、残念ながら同じ病に冒されている。声の大きな者や毛並み・学歴・経歴の良い者、利己主義者ども、上に媚び徒党を組む者が組織を牛耳り、保身に徹し人事を私するようになれば、組織は硬直し戦略は破綻し、行き着く先は必ず日本軍のような玉砕の道だろう。こうした警世の書はたくさん出てはいるが、いまだ直らないのはなぜなのか。日本人の性なのだとすれば情けない。事実、科学技術界では有能な人材は欧米に流出している。あなたの隣にも、辻政信や牟田口廉也、東條英機はいるかも。対談形式で読みやすいが、福田和也がいるのはなぜか。違和感を覚える。
特に海軍について
いいメンバーを揃えた対談。まず「半藤一利著」となっているが8人の対談である。
基本は半藤・保阪の自説に他の人がツッコミを入れていくという雰囲気で、対談ゆえに個別のテーマについて深く掘り下げないが、8人の話者は世代もバラバラなので、揃って「軍部憎し」と感情的になることもなく、是々非々で物事を考えようとすることができている。
とくに海軍が抱えた予算、人事などの様々な問題は参考になったし、当事者意識の欠けた(というより当事者意識の高い人間が中枢にいなかった)海軍の罪はよりオープンに問われるべきである。開明派と言われる米内や山本についても、比較的若い世代は彼らの失敗や限界も含めて論じている姿勢は評価できる。
日露戦争で東郷平八郎が世界史的な英雄になったがために、艦隊派に組する東郷に誰も意見することはできなかった。これが海軍の一つの桎梏となる。かつて大成功を収めた先輩が、環境の変化とともに頑迷な老人となりながらも発言力は強いため、老害として組織を停滞させる。こういう光景は今でもあらゆる場面でみられる。本書で気になったテーマについて、話者のそれぞれの著作を読み比べるのもいいだろう。
結局はいまも変わらない日本の組織社会
旧日本陸軍と海軍の歴史をその指揮官たちの評価という形でとらえようとする試み。原文は文藝春秋に掲載され好評だったそうだ。

読み終えて、、、、、情けなくなる。今も昔も日本の組織社会の弱点が、何ら変わらないことが理解できる。

戦後半世紀をはるかに超えたのに、われわれは歴史から何も学んでいないのだ。そういうことなのだろう。