米軍再編と在日米軍 (文春新書)

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米軍再編と在日米軍 (文春新書)


文藝春秋

価格(new/used): 788 円 / 1 円 より
発売日: (2006-09) アマゾン売上ランキング: 209059 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 2.0 / 総数: 3件

日本語として馴染めない
全体を通して言えることは、今現在のことしか述べていない。将来の予測やそのキーポイントがない。従って本書の発行後の北朝鮮の核実験という要素を考慮することができない。
しかも表にすれば一目瞭然となるような装備や配置を文章で語っていて理解しにくかった。
また述語になる部分の「られています」「なります」「しています」といった丁寧語の使い方が、今ひとつしっくりこない。意味がすんなり頭に入ってこないのだ。どうしても日本語として、私は馴染めなかった。
判りにく過ぎ
明解ではないということに尽きる。現代軍事の素人ではさらっと読むのは不可能だ。D1とか旅団という言葉が注解なしにばんばん出てくるので、これらの軍事基本単語を理解していないと、読み進めるのは不可能に近い。その上、説明のダブりが多すぎる。本書中に太平洋艦隊と在日米海軍の解説があるが、ご丁寧に両方で第7艦隊の説明がなされる。これを陸海空海兵と4度されるから、くどいことこの上ない。それとは逆に、説明が著しく不足した点もある。たとえば「相模原補給廠と横須賀基地は横浜線で結ばれ、さらに横田基地とも結ばれている」というくだりは、その土地鑑があるか、在日米軍に知識がある人でないと理解できないだろう(横浜線はJR、八王子で福生地域を走るJR八高線と接続されている)。一事が万事で説明不足と説明過多が入り乱れているので、何度も読まないと理解はできない。

また、著者は米軍基地が「負担」だけだという意見について、「米軍の消費、雇用で金も落ち、自治体には国から金が支払われているから、負担のみを強調するのはいかがなものか」と説明するが、米軍基地に積極的に賛成する自治体が全国でただ一つもないこと、基地周辺住民がこれまでに起こした騒音訴訟で騒音被害に賠償を命じなかった判決が一つもないことを考えれば、これがいかに地元感情を無視する暴論であるかがわかるはずだ。賠償が出ているということは、地元にとって、基地の存在はプラスよりマイナスの方がはるかに大きい。そもそも米軍基地がなければ、米軍基地をはるかに上回る周辺の人口密度、産業集積などを考えると、消費、雇用、税収などは米軍基地よりはるかに多かったはずだ。国の政策決定にも関与する安全保障の第一人者として、ここは「必然性があってやむを得ず、米軍基地の負担をお願いしている」としてほしかった。

まあ、在日米軍、米軍再編について、一通り中身は入っているし、米陸軍の主力となりつつある「ストライカー旅団」編成の経緯、海兵隊や陸軍の基地が「キャンプ」で空軍基地が「ベース」であるなど、へえと感じる知識もあった。若干以上の軍事知識があれば読んでもいいかも。
中国脅威論にどうしても持っていきたがるのはご愛敬
米軍には今や「航空宇宙遠征軍」(AEF)があるというのは知らなかったなぁ。航空「宇宙」遠征軍ですよ。なんでも99年には新設されていたらしいんですが、いやはや、もうSFの世界ですね。米空軍はほぼすべての戦力を十個の「航空宇宙遠征軍」に分けられていて、三沢基地(青森)のF16や嘉手納基地(沖縄)のF15などもAEFに組み込まれているなんて、ほんと知りませんでした(p.141-)。

米軍は常続不断に戦闘行動に従事し、戦死者を出しつつ教訓を取り入れて革新してきた唯一のグローバルパワーであり、日本の自衛隊と共に戦いたいとは思っておらず、後方支援、情報・偵察・哨戒・警戒・監視などの作戦支援と、戦いが済んだ後の復興支援や平和維持活動・安定化活動で協力してほしいだけだ、というのも改めて書かれれば納得です(p.190-)。

米軍再編の要点は米陸軍司令部能力をキャンプ座間に移転して改善することや、夜間離着陸訓練が住宅地の問題で難しくなってきている横田から岩国への移転などが中心になるのですが、その背景がよく理解できました。