愛と癒しのコミュニオン (文春新書 (0...

- 文芸春秋 価格 ¥ 725
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愛と癒しのコミュニオン (文春新書 (047))


文芸春秋

価格(new/used): 725 円 / 56 円 より
発売日: (1999-06) アマゾン売上ランキング: 19190 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 10件

傾聴の大切さ
 人と対話する際に重要なことは、相手の話の内容を、自分の価値観で評価することをひとまず置いて、相手の気持ちに寄り添い、傾聴することだという。
 その具体的手法を、さまざまな事例をあげて、わかりやすく語っている。

 本書を読んで、いままで私が受容的な態度だとイメージしていたものも、実はそうではないということを気づかされ、目からうろこという場面が何回もあった。
 たとえば、本書に例示されているアメリカの心理学者トマス・ゴードンの指摘によると、「賞賛、同意」や「解決策の提案」「抗議、講釈」は、「非受容」の12の型のうちに分類されるという。しかし、一般的にはこれらは相手に対して肯定的な態度だというイメージがあるのではないか。
 「相手のため」と思ってしたことが、「相手の存在を無視」した態度の上に成り立っているということもありうる。
 本書は、そうしたいままでの自分の他者への接し方、ひいては自分自身についても見直しすることを教えてくれた。
 
 なかなか現実の場面で、自分の主張や価値観を相手に押し付けたいという衝動を抑えることに自覚的になれないものだが、この本には、場面に応じた身体的技法や、相手に寄り添った姿勢がどんなものかを詳しく述べているので、繰り返し読んで身につけたいと思わされた。
  
 余談だが、インターネット上のコミュニケーションでは、なかなか「傾聴」「アクティブリスニング」のニュアンスは、おたがいに伝えづらいのではないか、と感じた。
 「顔が見えない」ということ以上に省略されているものが多く、特にこの本で提唱される非言語的なアプローチは、ネットの掲示板などでは伝達不可能のように思われた。
どんな自己啓発本よりも
最初2−30分ほどは、今まで読んだ事のあるコミュニケーションやカウンセリングのテクニックに近いのか、という印象でいたら大間違い!なんと学びの多い本だった事でしょう。

まず、アクティブリスニングが聞き手にも話し手にも豊かな気持ちをもたらしてくれるという例と方法が分かりやすくのっています。しかし、私が特に感動したのはそむしろその他の情報でした。

もり沢山の実例で、コミュニケーション力、幸せ力とでもいいましょうか、を鍛えるための方法が書かれていて、(長い眼で考えた意味での幸せな気持ちの持ち方だけでなく、呼吸法などにも触れています。気功や瞑想の本にも共通する事が多いかと思います)それらの一カ所だけとっても、単一で本一冊になるほどの内容の濃さがあるので、私には一気には読めないほどでした。

何故この本の”あなたは変りなさい”というメッセージが私にこんなにも違和感もなく快く入ってくるかと考えると、筆者の意図が愛情ベースであるほかないと感じられます。

本に繰り返し出てくる”どんな状況においてもあなたは許され愛され価値がある”というメッセージは読んでいるうちに納得させられ本当にきっとそうなのだという気持ちがおこり、有り難く心に響きました。

自分の不完全さを知り、まず自分自身がそれを許し、人も許し、自分の生活を愛情ベースにしたいと感じる本で、私にはどんな自己啓発本や心理学、コミュニケーションの本よりもやる気になって、参考になりました。
ありがとうございました。
肯定も否定もせずに、相手の「声」を聞くこと
神秘思想家であるシュタイナーのことばを借りて
アクティブ・リスニング(傾聴)について説明している箇所が、
この本のいい要約になっているので、そのまま引用します。

『<だれかが意見を言う、ほかの人がそれを聞くとき、
ふつうは聞く人の心の中に賛成、反対のどちらかの反応がうごめくものである。
また多くの人たちは、ただちにその賛成や、特に反対の意見を外に表したい気持ちにかられるものでもある。
しかし、この道を志す人はこうした賛成や反対の気分をすべて沈黙させねばならない。>

他人の話を聞き、それに自分なりの明確な意思表示や評価を行うことを、私たちは、知的な態度だと教わってきた。
人から何かの意見を聞いた時に、賛成や反対を示せるだけの知識や知恵を持たねばならないと指導されてきた。
それができるかできないかが、知恵のある者か、ない者かの指標とされることが多いのである。
しかしシュタイナーは、他人の言葉に耳を傾ける際の望ましいあり方は、「自分自身の内なるものが
完全に沈黙するようになる習慣」を身に付けることだと言うのだ。
これも「批判しない」「同情しない」「教えようとしない」「評価しない」「ほめようとしない」アクティブ・リスニングである。』
本当に大切なこと
僕は大学で心理学を学んできました。その頃は精神分析に興味を持っており、その理解のために様々な文献に当たり勉強していました。他方、今活用されている様々な心理療法についても独学ですが勉強していました。そして当然精神医学についても出来る限り学んだつもりです。
またクライアントとしてですが、いろんな現場に接してきました。
しかし、この本を読んで今まで勉強したことが、実はまったく無意味ではないかと思えてきました。
「本当に大切なこと…」
もとい、今ではそれまでずっと勉強してきたことは、この大切なことに気付くためにあったのではないかと思っています。
今ではこの本をことあるごとに人にプレゼントしています。
救われました。
この本を何度も読んでいくうちに、人は話をほんとに耳を傾けて聞いていると、自分で答えを出していくということが分かりました。感動した本です。そして、鈴木秀子さんに会いたいと思いました。