暴走老人!

- 文藝春秋 価格 ¥ 1,050
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暴走老人!


文藝春秋

価格(new/used): 1,050 円 / 100 円 より
発売日: (2007-08) アマゾン売上ランキング: 24364 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 13件

単なるセンセーショナル本ではない。
老人は、静かで大人しく思慮深いもの・・・そういう前提を覆す本。
単なるセンセーショナル本ではない。
時間、空間、あと何だったっけな・・・とにかく三つの観点から、
なぜ暴走する老人が増えている(と考えられるか)を、分析する。
良書
微妙。
表紙とタイトルのインパクトで興味をひかれて購入したのですが、正直ちょっとがっかり感。
キレる若者だけでなく、お年寄りも視野にいれている発想や構想は良いと思うのですが…。
似た様な例題をあげて語るのが延々と続くのがちょっとクドいなあと思いました、正直。
格差社会や過剰なサービスなどが原因の一つなのは確かですが、そればっかりを強調するのもどうかと思いました。
結局はひとりひとりのモラルの問題かと。若者であれ老人であれ。
高齢社会が暴走老人を生み出したのか
 本の題名というのは大事である。『暴走老人!』というタイトルを見ただけで、何が書いてあるのかと手に取ってみたくなる。
これが、『暴走老人の増加は高齢化社会の結果か』とか、『増え続ける困った老人』などと、本の内容にそくした題名ではインパクトが弱すぎてここまで話題になることはなかったと思う。
 暴走老人が増加したのは社会の変化の早さだと筆者は分析する。特に、コミュニケーションのツールとして今や必需品となってきているパソコンやケイタイの技術革新は急速である。
多くの老人はこれについていけなくなってきている(一部の若者だってついて行けないが)。
その結果、インターネットなどからもたらせる新しいサービスが受け取れなくなってきている。
 老人が孫の顔みたさに、インターネッットが出来るパソコンを購入するコマーシャルがあるが、老人も必死なのだ。
 さらに、スーパーのレジで財布から時間をかけて金を出している老人の後ろに並んでイライラした経験から、非難されるのは老人なのかと問題提起をしている。
つまり、レジの列に並ぶのなマナーだが、スムーズに支払いを済ませるよう小銭を用意しておくかおかないかは個々人の内面の問題ではないかというのだ。
それより、買い物の支払いを一括で行うというレジシステムこそがこのような問題を発生させる原因ではないかと。
 急いでいる人のためエスカレータの片側に乗る。エレベータでは、ボタンの側にいる人が開閉のボタンを押す。
これら、マナーといわれる行為をしない人に対して苛立ちを覚えることは同じレベルの問題である。
それらの人を無神経とみるのは、それらの暗黙のルールを知ってからでしかない。知らない者にとってはいかに無神経に見えても分からないだけである。しかし、非難の目だけは向けられる。特に、分別があると思われている老人がそれをすると、老人だから仕方がないかと思われて許されることも多いが、自尊心の強い老人にはそれが敗残者のように扱われていると感じたりするのだ。
 騒音おばさんに象徴されるように、老人が攻撃にまわる場合。体力が弱いこともあって、「音」や「臭い」など体力が無くても出来るもので執拗に攻撃する。これがまた陰湿にみえて嫌われる原因にもなるのだが。
 
 
「暴走老人」この言葉がすべて
最近、普段は温厚なのに突然キレたり、店員に暴言を吐く老人が増えていることをみんな実感してたと思う。
電車の中で、銀行の窓口で、病院で。
そういうのを見たとき、「え?なんで?」「変な人がいるもんだ」「そんなこともあるの?」と理解できず自分の中にしまいこんでいた。
行き場をなくしていたその不思議な実感が、この「暴走老人」の一言を見ただけで形をとって納得できるし、他の人にも教えたくなる。
この「暴走老人」と言う言葉で、これまでのもやもやが「あっ、あれはそうだったんだ!」となる。
この本のすごいところは、そこだ。実際の本の内容は題名から受けるイメージと違うんだけれども・・
どこぞで見かけた著者インタビューでも、題名だけ見て「老人いじめの本」と勘違いして延々と抗議してくる「老人(まさに暴走している)」がいたことを話していた。

でも内容は著者は老人にとても同情的で、「こんな老人を見かけたよ、どうしてだろう、世の中が老人に合わないのかな、かわいそうだな、そりゃストレスもかかるよね、老人には大変な時代だなあ、これが原因かな、それともあれかな、」というような話が続く。
キレる若者をあつかった本に比べて、その優しさに拍子抜けすることは間違いない。
とにかく、内容じゃなく題名に星5つ。この題名を得て、ようやくこの老人問題をみんなで話し合える地盤が整った。「暴走老人てなによ?」ってところからだけど。
不都合な真実?
 時代の変化にうまく付いて行けなくなった「新老人」がトラブルを引き起こすのだという。だが著者は一方的に老人の側を非難しているわけではない。むしろ、そういう老人に同情的だ。そういう老人の「不適応行動」は社会がうまくない方向へ回り出していることを敏感に感じ取り、そのことに警告を発しているのだと解釈している。そこは共感出来る。だが、「暴走する老人」を描き出す筆はやや軽く走り過ぎている気がする。
 老人がこの社会で辛いのは確かだろう。だから問題も色々起こってくる。だが、そこをマジメに書いてもつまらないのでちょっと面白く書いた、という感じのところが気になる。「売らんかな」の書き方。また著者は「あえて駆使しなかった」と語っているが、統計の利用の仕方も中途半端でご都合主義的。著者なら当然わかっているはずなのに敢えて書かなかった、その切り捨てられた部分にこそこの老人の問題のポイントがあると思える。
 でも実は主題は現代日本への批判。これはわかりやすくていい。