復権―池永正明、35年間の沈黙の真相

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復権―池永正明、35年間の沈黙の真相


文藝春秋

価格(new/used): 1,200 円 / 169 円 より
発売日: (2005-04) アマゾン売上ランキング: 242981 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件

「野球」を超えた1冊
プロ野球の「黒い霧事件」で永久追放となった池永正明のことがずっと気になっていた。その真相が、こうして1冊の本になり、それに出合えたことを心から喜んでいる。池永について書かれた本のなかで最良の1冊であろうと思う。
プロ入りして5年間余りで103勝をあげ、生涯に300勝はできるといわれた池永正明。年俸1000万円のエースが、100万円のお金を受け取ったことで、プロ野球界から永久追放された。そのとき池永は23歳だった。先年、35年を経てようやく追放処分がとけた。
八百長試合はしていないと言う彼を、球界がそれほどまでに長く鎖につなぎとめた理由は何だったのか。著者はそこにプロ野球の暗部を覗く。
八百長試合はしていないと言う彼が、それほど長く沈黙を続けた理由は何だったのか。それこそが著者が知りたかったことだった。読者は本の最後に明かされる沈黙の理由を知ったとき、暗然とする。やはり彼は自分で自分を縛っていたのだ。その理由はまっとうなものなのか。それは読者につきつけられる問いである。
本書には2枚の写真が使われている。1枚は、マウンド上の力感溢れる投球フォームをうつしたもの。本文の途中に挿入されている。
もう1枚は最後にある。本書を読んできて、最後にあらわれる。本書を読んだ方なら皆そうだろうが、その写真のページを開いたとき、涙がとめどなく溢れる。
直木賞作家が小説を離れて、本書を書いてくれたことに感謝する。野球好きの人はもちろん、そうでない人にも是非読んでいただきたい。
「汝らの中で罪のない者が、この女に石を投げるがよい」
 僕は「黒い霧」事件について何も知らない世代なので、ルポタージュのつもりで読みました。こういう話は、実は今でも連綿と続いているのでしょうが、そういうところまで踏み込んだ本ではないです。
 タネ明かしは良くないですが、「沈黙の真相」はこの新約聖書(ヨハネ福音書)の言葉の通りです。一投手の苦悩について、一作家が思い入れを込めて書き記した一冊です。
 「プロ野球ってなんでつまらないんだろう?」「池永って最近良くニュースで聞くけど誰?」と感じている人は、この本を読めば、なんとなくその理由が分かるでしょう。