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その日のまえに |
| - 文藝春秋 価格 ¥ 1,500 | |
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その日のまえに文藝春秋 価格(new/used): 1,500 円 / 90 円 より 発売日: (2005-08-05) アマゾン売上ランキング: 7861 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 94件 死をどのように受け入れるか死に対して考えさせられた話だった。7つの物語もすべてつながっていて、最初に出てきた登場人物たちもすべて最後の「その日のまえに」という物語以降登場しており、見事な構成だと思った。特に感動したのが、一番最後の和美の話だった。新婚の頃生活していた街を夫婦で訪れ、その頃の想い出を語り合う場面は印象的で、本当に楽しそうに話す和美がとても魅力的に感じられた。 動じない強さ短編すべてに横たわる“日常の中の死”。 突然の訪れであるからこそ、一瞬一瞬があまりにも大切に見える。 非日常の出来事であるからこそ、冷徹な現実を直視できてしまう。 あまり経験したく無いような展開が繰り広げられる世界に何度も涙をこぼしそうになりました。 世の中には色んな怖いものがありますが、一番怖いのは今立っている足元が一気に崩れるようなそういう出来事なんだなと思います。 そんな瞬間を恐れながら、毎日自分は生きているのだと思うと、もっと深く広く、 そして動じない力強さをつけながら生きたいと思いました。 生きる(死ぬ)ということはどういうことか冒頭の『ひこうき雲』。 小学校6年生の嫌われ者「ガンリュウ」は,同級生たちとは異なり,一人死に行く。 《どうして,ガンリュウだけ,なのだろう。僕たちとガンリュウの違いはどこにあったのだろう。たまたま? 運が悪かったから? 運命?》(40頁) そう不安になった少年も大人になる。妻の祖母がアルツハイマーになり,施設に入所している。見舞いに行くと,連れて帰ってもらえるのだと喜んでは,ぬか喜び・・・の繰り返しの祖母。 《もしも神さまがいるのなら―そして,ひとの命の行方は神さまが決めるものなのだとしたら,おばあちゃんは誰よりも長生きをするよう,神さまに選ばれてしまったのだろうか。ガンリュウを僕たちの世界から引き離して,遠くへ連れて行ってしまったのも,同じ神さまのしわざなのだろうか。》(43頁) 『ひこうき雲』からスタートして,色々な「死を見つめる」視点のあり方を描写した後,妻「和美」を失う「僕」の『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』と続く,一連の連作短編集。構成のうまさも光るが,「人が生きる(死ぬ)とはどういうことなのか」を考えさせる契機になる作品だった。 泣けないんだよなぁ。この題材にして。7編のオムニバスで、なんとなく、それぞれの話が、ラストのその日に絡んでくるカンジで 上手くできてます。 話も美しく、心温まるカンジもある。 けれど、人の死が題材なわりに、キレイにまとまりすぎて なんかテレビドラマでも見てる気分になる。 とくに、最後の「その日」3部作は、作りすぎで ドラマでも、かなりメロドラマで、なんか、げんなりしてしまった。 残される者、残していく者の、あらがえない事実にあらがう感情が もっとあってもいいかなーって思った。 この小説にかかれてる、穏やかさって、その後に訪れるものだと思う。 その静かな悲しみと穏やかさだけを、差し出されても もうひとつピンと来ないんです。 まぁ、でも。 ものすごく、よく出来てる。 他の話で出てくるひとの、絡みも絶妙だし くさいけど、おしゃれなカンジもあるし ・・・でも、泣けないんだよなぁ。この題材にして。 丁寧に描かれた人の死と、その周辺の人たち。綺麗で、泣けて、考えさせられる、素晴らしい小説だった。この本には、様々な死が描かれている。その世界には死を迎える本人と、その周囲の人間というものが存在する。 人間は、ひとりで死ぬわけではないというある意味優しく、ある意味残酷な事実を、感じる。 周囲の人や愛する人の心の痛みを丁寧に描き出す話しがある。 本人の無念さを描き出す話しがある。病と闘う強い心を持つと決める話しがある。 筆者が描き出す5つの世界は、どれも強くて、とても美しい世界だ。 それらが組み合わさり、世界が交錯するように迎えるフィナーレーは、少しできすぎだが感動的。 人の死を考える時に、ぜひ読んでみて欲しい。 こういった文学に触れて育つ人は、人の命を大切にするようになると思う。 不覚にも何度も泣かされてしまったが、筆者のいつもの本と一緒で、泣いて嫌な気持ちにならない本だった。 お勧めします。 |