時雨の記

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時雨の記


文藝春秋

価格(new/used): -- 円 / 75 円 より
発売日: (1994-03) アマゾン売上ランキング: 483278 位
単行本 / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件

潔い純愛のかたち
時雨の記

読み始めは、「所詮、不倫の物語か」と思いました。
しかし最終的な読後感としては爽快感がありました。
不倫の物語には独りよがりな感情を独白しているに過ぎないものが多かったので。
しかし読み進めるうちに、登場人物の恋相手以外に対する心配りなども
見え隠れし、人間関係全体への暖かさ、季節、環境に対して風情を楽しんだり、
人間存在のありがたさを感じさせてくれる世界観をかもし出していました。
悪役の立場で登場してしまっている主人公の正妻役も露骨にも悪役でかわいそうなのですが、
全体のメリハリを出すためにはしょうがないのかなと思いました。

読後感を支える爽快さには、主人公の死という背景があったがためで、
果たして今を生きている自分にとってこの物語のような純愛を感じ取ったあと、
自分の愛情表現とどうシンクロするのだろうか?と考えると、
生存し続ける前提ではこのような永続的な潔さを表現するのは至難の業なのかな
とも感じました。
が、いずれ自分にも死は訪れるわけで、何かのときにこの物語をきっと
思い出すのだろうな、と思います。

若い女性にこそ見て欲しい
「時雨の記」のヒロインのような愛し方は、女性としての憧れです。しかし、若い女性にはなかなか「自分の心を抑える」のは困難で理解しがたいものす。私はこのヒロインと同じ年代なので、今だからこそ、彼女の考えもうなずけましたが、もう少し若い二十代にこの本に出会えていたら「愛」に対する考えも変っていたはずだと後悔の念しきりです。花も盛りの二十代の娘さん達が、この本に出会って何かを感じとってもらえる事を願ってやみません。本当に大切なものがおぼろげながらでも解れば大人の女性に一歩近づける・・・そんな本です。本で感動なさったら、ビデオも見て欲しいです、もっと鮮明に心に染渡りますから・・・。
しずかな感動を味わえる作品
「女性として、どのように生きていくべきか」 これが、22歳の私が読み終わった後での第一感想でした。

女性のしあわせとは何か、たしなみとは、そして美しさとは。

こういったことについて、現代の日常生活ではあまり考える機会がないけれど、うわべだでごまかすことのない、真に素敵な女性になりたい、と感じさせてくれた一冊です。

自分が30代、40代、と年を経ていく節目節目に読み返していきたいと思っています。
また、素敵な女友達に贈っても喜ばれる本だと思います。