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忘れられた日本 (中公文庫 タ 6-1) |
| 篠田 英雄 - 中央公論新社 価格 ¥ 780 | |
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篠田 英雄 中央公論新社 価格(new/used): 780 円 / 330 円 より 発売日: (2007-06) アマゾン売上ランキング: 294333 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 1件 日光廟 VS 伊勢神宮・桂離宮ドイツの建築家:ブルーノ・タウトが1933年から約3年間に渡り日本に滞在した際の日本文化体験記「忘れられた日本」。その3年間は建築創作活動より執筆活動に勤しんでおり、日本独自の文化の詳細にわたり、体験に基づく記述がなされているのは興味深い。 その内容は単純すぎて(明確な二元論で)非常に分かりやすい。豪華絢爛な日光廟を否定し、質素倹約な伊勢神宮、桂離宮を絶賛する。伊勢神宮をアテネのアクロポリスに匹敵する名作と捉え「建築の聖祠」と称し、その精神に基づいて桂離宮を手がけた小堀遠州(この事実関係については定かではない)に日本建築の真髄を見る。桂離宮を評し「1個の生物の如く、個々の部分の完全な自由と独立」と述べ、その「関係の様式−いわば建築せられた相互関係」に本質を見ている点は興味深い。 事実かどうかは怪しいが、小堀遠州が桂離宮の造営に際して提示した三条件はなかなか興味深い。今では考えられない条件だが・・・ 1.建築主は竣工以前に来て見てはならない 2.竣工の期日を定めてはならない 3.工費に制限を加えてはならない 他にも、修学院離宮、醍醐寺三宝院、西本願寺、金閣寺、法隆寺、春日大社などを高く評価し、民家を日本精神の体現として捉える。逆に銀閣寺に対する評価が低いのは誠に残念。 さらに話題は文化全般にまで及ぶ。文化の本質を「生活のあらゆる現象が相集まって1つの調和ある全体を構成する」ことにあるとし、「芸術及び生活において簡素を求める傾向は、日本文化を貫く特性である」とする。さらに、「いかもの」と「いんちき」、「げてもの」と「ハイカラ」などの鍵語を対比させながら議論を展開していく。そして、「げてもの」→「いかもの」に、「ハイカラ」→「いんちき」に陥ることを懸念する。 いかもの/日本語=キッチュ(Kitsh)/ドイツ語 :芸術たることを欲しながら、遂に芸術たりえない「芸術」、例えば日光廟 いんちき/日本語=ティンネフ(Tinneff)/ドイツ語 :安っぽい間に合わせのもので本物と同じ効果を挙げようとするごまかし げてもの:民芸、手工の巧緻、旧い作品 ハイカラ:現代主義、旧いものの誤解せられた模倣、現代の生活 また、タウトは日本独特の家相を迷信として批判的に捉えており、世界諸国の北部地方の家屋はその形式をもっぱら冬に順応させているのに対して、日本家屋はこれとは全く反対に夏向きにつくられていることなども驚きを持って指摘している。 全般的に極端な二元論が気になるが、日本の伝統にかつての「ドイツ工作連盟」活動に通ずるものを見出したのであろう。 |