帰郷―刑事・鳴沢了 (中公文庫)

- 中央公論新社 価格 ¥ 800
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帰郷―刑事・鳴沢了 (中公文庫)


中央公論新社

価格(new/used): 800 円 / 316 円 より
発売日: (2006-02) アマゾン売上ランキング: 9372 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件

鳴沢了に、はまったじゃねえかよ
成沢の成長ぶりが際立つ作品。
作中、海君に対して、「俺も大人になったんだよ」という場面があるが、
まったくその通り。
刑事として、人間として、一回り大きくなった。
優美との関係も、以前だともう終わりにしていたかもしれないが、
前向きに打つ手を考えている。
このシリーズは、その成長過程すべてを見せるのではなく、
ポイントだけを書き起こし、多くを読者の想像に委ねている。
これについては、賛否両論があろうが、私はこのやり方でいいと思う。


星をひとつ減らしたのは、
・こちら側のハードルが上がったこと
・伏線の張り方が正直すぎて、なぞがわりとすぐにわかってしまうこと
が理由である。

やっぱり素晴らしい小説です!
鳴沢了シリーズ5作目です。

舞台は新潟に戻り、父親の葬式のための忌引の最中に巻き込まれた時効となった事件の私的な捜査です。

自分の父親を惨殺された正明と、そこから浮かび上がってくる彼の暗い過去…
正明の父への嫉妬などが入り混じる羽鳥の複雑な心情…

それらの話を軸に、新潟時代に親交のあった緑川や大西の再登場、父親の日記などで少しずつ父親への思いを改めていく了…近作は改めて人とのつながりの大切さを考えさせてくれる作品だと思います!

既に時効になった事件を捜査するという若干無理のある設定で、実際聞き込み調査などで歯切れの悪い鳴沢を見てしまい、また今回は魅力的な相棒もあまり登場しない(鳴沢の単独捜査がメイン)ので、今までの鳴沢了シリーズを読んできた私にとっては少し物足りなさを感じましたが、それでもやはりいい作品です!

また、亀裂、まではいかないと思うのですが今作では優美との若干の心のすれ違いがあるように思えました。もしかしたらこれも次回作への布石なのかもしれません。

解説では、これまでの鳴沢シリーズを丁寧におさらいしてくれていて、読む間隔があいてしまった方には非常に親切だと思います。堂場さんがサツ回りの記者をやっていたと書かれていて、とても納得!!次回作も楽しみです!
シリーズの転換点的な一冊
刑事・鳴沢了シリーズの第5作。第1作の『雪虫』以来続いている物語の転換点とも言うべき小説。謎解きの面白さもさることながら、主人公の心の大きな変化と成長を描いている点で重要な一冊である。

本作の解説で書評家の直井明氏が指摘しているとおり、シリーズものには<サーガ>を読む楽しみがある。例えばその直井氏が世界的なエキスパートであるエド・マクベインの「87分署シリーズ」しかり、あるいはストックホルムを舞台とするマイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー夫妻の「マルティン・ベック シリーズ」しかり。そのような点から考えると、本作は鳴沢了シリーズにおける<サーガ>性を本格的に浮き彫りにした作品として捉えられる。

これまでに本シリーズに親しんできた読者にとっては必読書である。