脳死 (中公文庫)

- 中央公論社 価格 ¥ 979
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脳死 (中公文庫)


中央公論社

価格(new/used): 979 円 / 1 円 より
発売日: (1988-11) アマゾン売上ランキング: 146555 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 7件

死の定義を改めて問い直した良書
人間にとって死とはどの様な現象なのか、を突き詰めた良書です。そもそもかつては、「心臓停止」をもって人間の死と判断していたわけですが、臓器移植という技術が進歩した結果、心臓死ではない、「脳死」という概念を規定する必要が出てきました。このあたりの歴史的経緯を理解することなく、脳死の是非を語っても、「木を見て森を見ず」となってしまいますが、著者はそのあたりのバランスに優れています。医学的見地からも、脳死を誤り無く解説し、そこで議論されるべき真の問題点についても、鋭くしている点は著者ならではです。人間が死ぬと言うことの定義を問い直す良書です。
脳死を徹底的に誤解させる本
~また立花氏の悪い癖が出た。真実に至り真理は我にあると確信すると、それ以降は天上天下唯我独尊、とにかく自分のペースで議論を進めようとする。最初は臓器移植のための死の再定義はいかがなものかという倫理的観点からのアプローチ(ちなみに、医師としての私自身はこの観点から脳死法制化に反対し続けている)だったが、脳死の証明不可能性を反対の根拠と~~するに至り、脳死論議に不可知論を持ち込み、以降の議論をまるっきり不毛なものとした。結果として反対論の科学的妥当性を自ら挫きその勢いを削ぎ、推進派に利する結果となった。そういう意味で皮肉なことだが、立花氏は脳死臓器移植推進の最大貢献者なのだ。医療哲学者中川米造氏との対談でも終始その調子。こんな乱暴な議論に医師である中川先生がついてゆ~~けるはずも無い。すると立花氏は他の場所で「中川先生も回答に窮する問題なのだ」と大宣伝。末期癌で苦しむ中川先生が無用の誤解を解くために苦労なさったのを見るにつけ、この様な言い垂れっぱなしのジャーナリズム気取りを見るたびに怒りを禁じえない。最近は臨死体験にもコメントしているが、そんなオカルトまがいをも科学の文脈に持ち込んで何をしようと~~言うのか。この人に論理性とか節操とかいう概念は無いのだろうか。~
脳死を徹底的に理解させる本
 「脳死」と言う言葉の意味は何か?それが解らない人は、是非この本を読んで欲しいと思う。
 どうしてかと言うと、この本はまだ一般の人に脳死を言う言葉の意味があまり認知されていない時代に、立花さんが国内外を問わず数多くの文献を参考にして、「脳死とは何だ?」「脳死になると、本当に脳が死ぬのか?」等と言った、いろいろな疑問に答えているからである。
 又、この本が出た当時も臓器移植の是非が問題になっていた。そこで、臓器移植の問題も取り上げている。「臓器移植は、一体どこが問題なのだろうか?」と言った問題も扱っているので、臓器移植の意義について考えたい人は、この本を読んで欲しいと思う。
 只、この本は500ページを超える評論の本では稀にみるほどの厚さで、一片に読むことは難しいので、1章ずつ分けて読むことをお奨めしたい。
 
脳死がよくわかりました
脳が死んだら人は死んだことになる、ということ自体が私にはもう一つピンとこないのです。反対してる訳じゃないんだけど。でも自分にはあまり関係ないかも…。
と思いながらこの本を読んだけど、とても面白かったです。「もう一つピンとこない」からこそ、厳密に脳死を勉強できる本に出会えてよかった。

著者が指摘しておられるような脳死判定の曖昧さは、改善されたのだろうか。すごく気になってきました。最初でこそ脳死→臓器移植はすごく注目されたけど、今ではあまり報道されないし。大丈夫なのかな。

脳死判定基準作成の目的は何だったのか?
本書を読んで感じたこと、それは脳死判定基準作成の目的は何なのか?ということでした。
基準作成メンバーの中に移植医が含まれているところに、移植ありきを前提に議論が進められているという指摘は鋭いものがありました。

著者は決して臓器移植を否定しているわけではなく、当時作成された脳死の判定基準に対する疑問を投げかけています。

脳死による臓器提供は、確かに人の生命を救うことができるかもしれませんが、同時に臓器提供者を完全な死に至らしめます。
だからこそ、脳死が完全に「脳死」状態であることを理論づけるべきであるという著者の主張に同感しました。

医学常識や知識に果敢に挑み、細かく丁寧に解説している著者のパワーに感服した一冊でした。