少女コレクション序説 (中公文庫)

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少女コレクション序説 (中公文庫)


中央公論新社

価格(new/used): 660 円 / 1 円 より
発売日: (1985-03) アマゾン売上ランキング: 129645 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 5件

少女のエロチシズム論は少ししかなかった
最初の処こそ、少女をコレクションすることとはとか、美少女の本質とはといった少女の美やエロチシズムに関する、確かに独創的で興味深い考察があるのだが、途中から、ディープかつ背信的ではあっても割にありふれた、文学、絵画、彫刻などにおける性愛論、官能論のようなものとなってしまっている。その方面における著者の博識や情熱は理解できるのであるが、あくまで少女コレクションという題材をもっと極めたい者としてはいささか騙された感じもする。
また、時代を考えればやむを得ないが、当時は主観や幻想的観念と対立、昇華できるものとしてはフロイト精神分析学くらいしかなかったが、それを真に受けた考察を大真面目に書かれても少し困る。フロイトがダメなわけではないが、本書でされているようなストレートな適用はさすがに時代遅れである。
ただ、この著者の文学者としての歪み具合、病み具合はなかなかのものと思われ、本書のような評論や一般的考察よりは、独断に突っ走った文芸作品や、同じく精神に影を有する1人の奇人に同調した賛美的評論はさぞや痛快であろうとは思った。
少女という魔力
渋沢龍彦の著作の中でも一番興味深く読ませていただいた。
古今東西の少女に関する事柄を、実に精神的に、倫理的に示してくれる。
個人的には、三島由紀夫との「サロメ」を巡るエピソ-ドが好きで、思わず私も「椅子に座るサロメ」を確かめてしまった。

渋沢龍彦の筆は淡々としているが、なにか不思議な官能的な能力を秘めてをり、1ペ-ジ読んでしまうと全てを読まずにはいられない著作だ。

秀逸軽妙な散文
この美しいカバーは四谷シモン氏の人形(フィギュアというのかしら?)。少女への愛にまつわる博覧強記の著者の軽妙なそれでいて深遠な散文集。
なぜ「少女」にオトコがはまるのか
 この本は題名とカバーで、気のちっちゃな私などは書店の店員さんに出すのを躊躇してしまったほどだ。もうオトコの本能に直接ビンビンくるのである。
 世に言う「処女崇拝」とも少し違う。女というウェットで現実な存在になる前の、純粋な「対象」としてだけの存在、ある意味男性の心の中でバーチャルにつくりあげたベールの中にだけ在る少女についての、作者の信仰告白とも読み取れる書である。もちろん世の殆どの男性が共感する「すこぶる健康的な」観念だと思われる。
 ユートピア、鏡、アリス、コンプレックスの総目録など、興味は尽きない。
少女コレクション序説
中公文庫の澁澤龍彦「エロティシズム」三部作の最終巻にあたる本書は内容,文体共に最もこなれていて読みやすく,あとがきにあるとおり「好みの領域に自由に遊び,気に入ったテーマで書いたもの」。澁澤特有の洗練された趣味性が横溢していて,まさに華麗にして豪奢。目次にある字面も「人形愛」「幻想文学」「近親相姦」「コンプレックス」「エロスとフローラ」「匂いのアラベスク」などなどと,こちらも豪奢。昭和39年から56年と古い時期に書かれたものにも関わらず,目からウロコの新鮮さは,一重に澁澤の偉大さのためなのか,それとも,ヒトってあまり変わらないものなのね,ということなのでしょうか。

 マニアが久しぶりに手にとっても思わずうなる,どこから読んでもいつ読んでもディープな澁澤ワールドにハマれる逸品。ちなみに四谷シモン作の少女人形フォトも美。