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東北―つくられた異境 (中公新書) |
| - 中央公論新社 価格 ¥ 777 | |
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東北―つくられた異境 (中公新書)中央公論新社 価格(new/used): 777 円 / 233 円 より 発売日: (2001-04) アマゾン売上ランキング: 88410 位 新書 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 3.0 / 総数: 2件 多様な可能性の隠蔽史1953年典型的な北海道「開拓」民の末裔として生まれた日本近代史研究者が、2001年に刊行した、近世後期から明治末期までの東北の自己認識と他者認識の相克を主題とする本。東北は本来多様で独自の地域文化を持ち豊かでもある地域であったが、相次ぐ飢饉と政治的中央からの遠さゆえに、他者から「未開」の半「蝦夷地」視された。それを助長したのが戊辰戦争の敗北であり、東北は天皇の仁政の恩恵を受けづらい「未開」地とされ、台湾・朝鮮・アイヌ人・黒人と関連付けられながら、同時に開発のフロンティアとも見なされた。他方、東北人自身もこうした「異境」観を内面化し、「西南人」主導の明治政府に劣等感を持つ反面、東京と北海道の中継地・対ロシアの拠点としての強烈な使命感や、自由民権運動による第二維新論のような反体制への志向をも示した。こうした状況の下で、交通革命とも連動しながら、「西南人」に対抗するための東北大団結運動が高まりを見せ、政治運動の中で現実の多様性を隠蔽する一体的な東北観が形成されてゆくが、それはむしろ「辺境からのナショナリズム」や帝国主義を強化する方向に機能した。しかし1900年頃の相次ぐ天災の中で、東北の不潔さ、迷信の残存、方言の存在が問題視されると、東北イメージは急速に瓦解し、東北の一体性も自明視されなくなる。1910年代、産業革命の展開と共に、東北全県は後進地域として定着し、「国内植民地」的役割を果たし始める。著者は実証的にこうした史実を跡付け、その上で東北の多様性、国内外の他地域とのネットワーク、地域固有の歴史、アイヌ史との関連性を直視し、それによって新たな日本観を形成する必要性を説く。いささか理論的には未整理の感もあるが、辺境からの実証的な視点は多くの示唆を与える。 東北の衛生状態の悪さのついての記録は、本当に「偏見」なのか?この本は、東北(奥羽地方)に対する東北以南の日本人の「偏見」と「差別」を、少し強調し過ぎて居ないだろうか?初めから終はりまで、とにかく、そればかりと言ふ感じである。−−東北を愛してやまない私ですら、もうウンザリである。 この本は、多くの一次資料を引用して居る。その点は、面白く、非常に勉強に成った。だから、星二つにしたが、それらの一次資料についての著者の解釈は、恣意的で、感情的である。中でも、近世から近現代に書かれた東北についての旅行記の多くが、東北の衛生状態の悪さを強調して居る事は、「偏見」ではなく、事実なのではないだろうか?−−学生時代に初めて遠野を訪れた頃から、私は、近世の東北で繰り返された飢饉の歴史に心を痛め、関心を抱いて来た。私は、東北の飢饉が多くの死者を生んだ理由は、寒冷な天候と為政者の失敗に有ったと思って来た。だが、皮肉な事に、この本を読んでから、私は、東北で凶作の際、多くの犠牲者を出した背景には、天候や政治の問題もさる事ながら、そうした当時の東北地方の衛生状態の悪さも有ったのではないか?と考える様に成った。著者は、自分が引用した一次資料が語る事実を直視するべきではないのだろうか? (西岡昌紀・内科医) |