物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイ...

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物語 ヴェトナムの歴史―一億人国家のダイナミズム (中公新書)


中央公論社

価格(new/used): 1,029 円 / 489 円 より
発売日: (1997-07) アマゾン売上ランキング: 11305 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 5件

ヴェトナム史に興味があれば
ヴェトナムの古代からホ・チ・ミン時代までの概観書。中国との関係、インドシナ諸国および欧州列強(特にフランス)との関係の2つの軸から話が進む。概説としてはまとまりがよく、政治的な見解などのバイアスもかかっていない印象で、良書と思う。
経済成長を本格的に始めつつあるヴェトナムの最近の歩みについて読みたい向きには、97年出版かつカバーしている範囲がホ・チ・ミンまでということでお勧めできない。それでも、国としての成り立ちを知ることは、現在のヴェトナムへの理解も深めてくれるはず。歴史も含めてこの国への理解を深めたいならば、本書は手軽なチョイスであろう。
毀誉褒貶はあるが、価値ある書籍
他の人の記載の通り、本書の最大の価値は、日本で馴染みの少ないベトナム史の手ごろな入門書という点にある。なので、細かい荒を指摘しても仕方がないが、長所の指摘は他の方にゆずり、ここでは少し短所を記載したい。

仕方がないとはいえ、北部の歴代ベトナム王朝中心の歴史となっている。1500年以上現ベトナム南部を支配したチャンパーの記述量は、15もの王朝が興亡し、壮麗な遺跡が残り、歴代王名も殆ど判明しているにも関わらず稀少である。この手の通史にお約束の歴代国王一覧や系図がない。地図や図版も少ない。中国風衣冠装束の北部王朝と、インド的なチャンパー王の図像がひとつでもあれば、随分とイメージが沸いたのではないか。李朝末期の章に登場する簒奪者の甥と、次章で語られる陳朝初代が同一人物だとは、なかなかわからなかった。黎朝初代の黎利は、本文に漢字名の記載がなく、他の王の記載と不ぞろいである。

しかし、これは瑣末なことである。陳朝初代王が残した次のような回想を知っただけでも、私にとって本書の価値は高い。

「帝王になったときはまだこどもだったが、それ以来、わたしは自由になったことがなかった。両親は既にこの世にはいない。わたしにアドバイスを与えるものは誰もいない」そうして王宮を抜け出し、山に入り、聖人に諭される。「わたしは王宮に帰った。わたしの意志に反して王としての仕事を続けている。あれから数十年たった。いま、暇なときに、年をとった人たちを集めて、禅の教義と経典を勉強している。経典を勉強していると、いつも「あなたのこころをなにものにも固定させない」という言葉が目にとまる。私は本を閉じる。長い瞑想にふける。啓発がある。これが禅なのだ、と思う」
ベトナムの歴史の概要を知る上ではよい本
ベトナムの「英雄列伝」という感じ。新書という制約上、個々の人物がそれほど詳しくはないが、英雄たちの波乱万丈の生き様にちょっと感動を覚えた。実際にハノイに行く予定があったため、読んでみたが、おかげで文廟やホーチミン博物館などの史跡に行っても楽しめた。敢えて言えば、残念なのは、ホ・チミンの記載がちょっと簡単すぎるところ。著者も言うように、第二次大戦後の歴史は別の本を参考にすべきかもしれない。
バランスのとれたベトナム通史
著者はベトナム史をA・B軸の国際関係から捉えている。A軸は中国との対立と交渉の歴史、B軸はベトナムと東南アジア・モンスーン地帯の諸民族(チャンパ、ラオス、カンボジア、タイ)との関係である。中国から常に圧力を受けるベトナムは、同時に南方に拡大するエネルギーをもった「北属南進」の歴史を持っているのだという。これが今日の南北に伸び、東西の狭い独特な国土を作り上げている。

ベトナムの古代から、中国支配、統一王朝、そしてフランス植民地時代とホー・チ・ミンに指導される独立運動まで、歴史記述のみならず、ベトナムの地政学的考察、文化の紹介まで触れたベトナム史の好著。

手ごろなヴェトナム史の概説書
<物語~の歴史>シリーズの中では、お勧めの1冊です。
ドイツや中国などは1冊にまとめるには無理がある素材ですし、
わざわざ、この物語シリーズで刊行しなくとも他にも
概説書がたくさんあるわけですから、あまり必要ないでしょう。
ヴェトナムをはじめとする東南アジアの歴史は、
日本では軽視されがちです。世界史の教科書でもなかなか

詳しく扱っていません。
ヴェトナムの通史的な理解と、その時々の英雄やエピソードなどが
まんべんなく語られているこの書は、入門書としては最適だと思われます。
中国文化の影響の強いヴェトナム史に出てくる人物たちの
物語は知名度は低いですが、三国志的な面白さも秘めた
読み物としても十分に堪能できます。