迷いと決断 (新潮新書)

- 新潮社 価格 ¥ 735
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迷いと決断 (新潮新書)


新潮社

価格(new/used): 735 円 / 1 円 より
発売日: (2006-12-14) アマゾン売上ランキング: 121773 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 23件

出井色のソニーブランド
ブロードバンドといえば高速インターネット。いまや常識だが、この言葉を初めて知ったのは、99年頃にソニーの資料で、コンテンツやPCやカメラが「Broad Band」と書かれた円盤の上に乗った図だった。意味が分からず。「太いおび?」でプロダクトを結びつけて価値を高める概念?みたいなものかと思ったのを覚えている。

あれからちょうど10年経ち、ブロードバンドもワイヤレス化しちゃったりして、とにかく、あの時のソニーのビジョンは非常に正しかったと、今でも思う。

出井さんは、広報宣伝の役員だった93年、有志の社員と一緒に「今後の10年に向けて」というレポートに、このビジョンをまとめたというから、たいした眼だ。


ブロードバンド、プレイステーション、バイオ、サイバーショット。コーポレートガバナンス。あの頃のソニーの出してくる言葉は、どれもなんだか新しく、輝いて見えた。その後のソニーショックの戦犯と言われたりしていても、自分の世代にとってのソニーブランドは、あの時代の、出井色の経験であり、やっぱりかっこいいと思うのである。

その裏で、ヒーローである創業家との決別や、求心力の獲得、傾いた財務体質の改善、ネット時代への戦略、複数業態を抱えるグローバルカンパニーの最適なガバナンスの確立。。初の非創業家経営者としてソニーを率いた出井さんには、睡眠薬片手に、色々な迷いと決断があったようだ。
タイトルで期待しないで
著者がCEO時代に行ってきたことを時系列にフツーに書いているのみの本。そこから得た洞察や社内のリアルは、あまり書いてありません。肝心の「迷い」も「決断」も、(実際にはすごいものがあったんだろうけど)あっさりしております。まあ、社長の回顧録ってのはこんなもんですか。
ビジョンと現実のギャップ。
前ソニーCEO出井氏の回顧録。

技術肌の組織において、文系畑からマネジメントスキルを武器に会長まで上り詰めた「ソニー初のプロフェッショナル経営者」が抱えたビジョンと現実のギャップ。
同氏がCEOの頃からビジョンには共感していただけに、「日本企業のマネジメントにおける難しさ」を改めて実感。
プロ経営者も同時に普通の人間でもある。
幾多の賛否両論ありながらも、著者が所謂「財務畑か営業畑出身」で選ばれる旧来の日本の社長でない「経営職のプロ」である事は、全体の流れを読めばわかる。経済社会情勢を分析して近未来のビジネスの行方をつかむ。投資コストや収益構造からすべての事業をひと括りせず、業態毎に管理する。アライアンスやコンテンツの二次・三次利用を考えビジネスモデルを組み立ててゆく等々。これはいわゆる「MBA的素養」が実務の中でしっかり研鑽されていたとともに、そもそものビジネスの才能にも恵まれてそれを磨き上げていなければ絶対不可能なことだ。しかし、著者にも限界があっただろう。あれだけの巨大な組織を大改革するには加齢に負けないパワーが必須だったと思う。CEO着任時点で58歳。もし、50歳で着任していればもっとパワフルな状態が継続でき、本書に記載されている「旧来派」の反対に妥協する事もなかったかもしれない。それは着任しばらくの著者からあふれていた気迫とファイターのオーラは退任前後にはすっかり失われ、疲れたおじいさんの様な姿を見てそう実感した。それとともに、眠れない夜が何度もあったことと睡眠薬の常用をカミングアウトした日本の経営者は初めてではないだろうか?それらの事や反対勢力への不満などは経営者だった人間が公にすべきでなく腹に収めていなくてはいけないのが建前だ。それを記載したあたりに「出井さんも人間なんだなぁ」と「ビジネスのプロ」の裏側にある「個人」の側面も良く見えた一冊だった。
迷っていない,信念の本
前SONY社長の出井さんの書籍

私は本を読む際に気になった処にポストイットを貼ってゆくのですが,初めて
用意したポストイットがなくなるほど内容の濃い本でした.

さすがにSONYほど大きくなったら,ガバナンスが最初の課題になるというのは
とてもよくわかる課題で,ガバナンスにぶつからなかった人にはつまらない
書籍化もしれません.

金融資本と産業資本を掛け合わせて考えなければならないという点は
まさにMOTの世界に入ったことを考えさせられました.