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環境問題の杞憂 (新潮新書) |
| - 新潮社 価格 ¥ 735 | |
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環境問題の杞憂 (新潮新書)新潮社 価格(new/used): 735 円 / 130 円 より 発売日: (2006-11-16) アマゾン売上ランキング: 80039 位 新書 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 9件 考えるヒントにはなるけれど本書は環境問題に一石を投じる意図で書かれたものである。 ただ、武田邦彦氏の「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」シリーズの インパクトの前では中途半端に見える。 武田氏の著書は数々の欠点があるものの(多すぎるが)、 環境問題絶対主義に待ったをかける意味があった。 本書は諸兄が指摘されるように、 机の上で書かれた印象をぬぐえない。 すでに決着を見た問題を取り上げて杞憂だったというのは 後出しじゃんけんに過ぎない。 例えば、かつてダイオキシン問題の渦中に意見した中西準子や日垣隆こそ 問題に一石を投じる役割を果たしたと言えるのだ。 現在議論中の温暖化問題こそ大切の主張は結構。 だが、もう少しIPCCのデータを精査するくらいの作業は しても良かったのではないか。 この問題に関しては、アル・ゴアの代弁者かと思われた。 伊藤公紀「地球温暖化」の方が、 どこまでわかっていて、どこからわからないのか、 問題点の整理ができている。 つまるところ本書を読むよりは、 安井至氏のサイト「市民のための環境学ガイド」が より有益な情報が得られるように思う。 日本はそんなに危険か??環境問題に対して杞憂、すなわち心配しすぎるな、という事よりは メディアの報道を鵜呑みにするな!と著者は主張している。 本の中で「マスメディアは言いっ放しである。」との 記述があるが私も同感である。 テレビなどでダイオキシンが危ない!!だの、 鳥インフルエンザで○人死ぬ!!だの、やたらに危険だ危険だとの 報道を毎日見せられるが、こういった事象が「実は心配するほどではなかった」 という事が報道されることは極めて稀である。 もし普段から「日本は危険に覆われている!!」と ビクビクしているのならば、この本を手に取る価値あり。 バランスが取れているが故に支持を得られない良書売れている環境本は、大まかに分けて「危機を煽るもの」と「危機を否定するもの」の二種類に分かれます。どちらも根強いファンがいます。主張が明確で先鋭的であればあるほど、分かり易い良書とされます。 本書は、そのどちらでもありません。だから、どちらの本の読者からも支持されないのです。 危機を煽っている方は、本書にその行き過ぎを戒められ、危機を否定する方は、本書にその視点の偏りを批判されます。ですから、最も環境問題に対してバランスが取れている本なのに、根強いファンが現れないのです。両者にとって、本書の主張は不明確で、承服できないものに映ります。 しかし、それこそが本当の環境問題の姿なのです。著者は環境行政を担う役所で、双方の意見も聞く機会もあったし、行政の今後を検討する場において、最新の科学的知見に触れる機会もありました。そこで見出だした、イチかゼロかで割り切れない、環境問題のありのままの姿が、本書となって結実しています。 中立的な立場を取るが故に、タイトルが懐疑派よりでありながら中身がそうでないために、なかなかファンの増えない本書は、環境問題の何たるかを我々に示しています。本当は、これこそが環境問題を語る上での良識の筈ですが、いつの世も、悪貨は良貨を駆逐するものです。 メディアリテラシーのテキスト統計や予測で示される数字を正しく理解することはなかなか難しいものです。特にマスコミを経由するとセンセーショナルな部分だけが強調されることが多くなります。 本書では環境に関する「問題」が、科学的に煎じ詰めれば、実は「問題」ではない可能性の事例を多く取り上げています。 数字を正しく理解するためのメディアリテラシーのテキストとしては、これ以上の本はないと思います。 出版の意図を問う巷で危機的に報じられる環境問題について,正しい情報を与え不安を払拭しようという著者のスタンスは理解できる。しかしそれならば本書に巻いてある緑色の帯を読めば十分である。この本もロンボルグや中西準子などの内容をピックアップして並び替えただけのものである。本書を読むくらいなら,ロンボルグと中西を(批判的に)読めば十分である。 本書の致命的な欠点の一つは,机上の作業によって書かれた浅薄な雰囲気が全体を支配していることである。原体験に基づくことなく,読書と勉強によってのみまとめられた本は人の心に届かない。もう一つは,素材選びが悪いということ。もし私が『環境問題の杞憂』というタイトルの本を書くなら,1)騒がれ過ぎの環境問題,2)無視されている環境問題,という二つの内容を盛り込むだろう。なぜなら,『環境問題の杞憂』なる本を読むことで環境問題が軽視されるようなことが起こってはならないからである。だがこの著者はどうだろう。東大理を出て環境庁入庁という経歴にもかかわらず,恣意的に選んだ素材により「環境は思っているほど悪くないですよ」と一冊書き上げてしまうのである。驚くべきことである。 もう一つダメ出しをしておこう。このタイプの論者は「損失余命に影響しない」ということを重要視する。すなわち,環境問題で寿命は縮まない,と。だから本書でも「環境問題」といいつつ「健康問題」ばかりを取り上げている。しかし多くの「環境問題を心配する」人々は,「自身」の損失余命に影響することばかり「心配」しているわけではない。考えても見て欲しい。棚田が破壊され,雑木林が宅地になるのをいちいち自分の寿命と関係づけて心配している人などほとんどいないだろう。彼らが環境問題を心配するのは「大切なもの」を守りたいからだ。その意味からも本書のタイトルはよくない。「健康問題の杞憂」とすべきだろう。 放射性廃棄物の問題を初めとして,緊急を要する環境問題はたくさんある。そういったことに触れずに,著者が大学で本書のような内容を講義しているとしたら,聞かされる学生は本当に可哀想だ。 |