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全身落語家読本 (新潮選書) |
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全身落語家読本 (新潮選書)新潮社 価格(new/used): 1,365 円 / 1,904 円 より 発売日: (2000-09) アマゾン売上ランキング: 11583 位 単行本(ソフトカバー) / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 4件 同時代の噺家による落語評論の傑作実にうれしい本である。噺家自らが著した落語評論・随筆そのものが数少ない中で、その内容のレベルや読み物としての評価を含め、同時代の現役噺家の落語評論でベストと言ってよいだろう。もちろん古くは著者の師匠談志の『現代落語論-笑わないで下さい-』(昭和40年発行)という傑作や、小三治師匠の『落語家論』(平成13年発行)などがあるが、前者は高い評価が定着した今や古典ともいえる作だし、後者は随筆のアンソロジーであり、評論として一貫性のあるコンセプトに従ったものではない。本書には師匠に負けずに平成の「現代落語論」を書くぞ!という若々しい意気込みと覚悟が背景にあり、その出来栄えも優れている。「概論」「各論」「演習」、そして「特殊講義」での“噺家論”と“ネタ論”という丁寧かつ分かりやすい構成で、しっかりと志らくオリジナルの落語論を展開している。現在多くの弟子を抱えるのも本書の影響なしには考えられない。入門書としてもお奨め。 情に厚くて愛情表現の下手な全身落語家の好著落語家としてのほかに,映画監督,演劇の演出家,役者としても活躍する志らく師匠のであるが,本書を読んでいると,じつはけっこう不器用な人なのではないかと思えてくる。 かれは思ったことをズバズバ書くので,同業者にも敵が多いらしい。でも,本書の前半に書いてある,昭和の名人たちをはじめとする著名な落語家たちについての紹介・感想を読むと,愚直に愛情深い志らく師匠の純情さがみえてくる。 そのうえ,まなざしがやさしい。全盛期の落語家をのみ評価するのではない。五感を通じて直に認識可能な芸の善し悪しのみを評価するのでもない。老いて,体を壊して,声もでなくなった,末期の落語家の高座を通じて,その人の存在そのまま受けとめ抱きしめ尊ぶ。 口は禍のもと,のことわざどおり,著者は口で損するタイプのようだが,たぶん愛情表現に長けていないだけなのだ。落語について,落語を愛する落語家たちについて,深く鋭い理解力と共感力をもっていることが,本書を読めばよくわかる。ときどき読み返したくなる好著。 落語ファン必読の書談志の弟子志らくによる落語の手引書。 あとがきに「志ん朝師匠ほど上手に語れるのなら理論なんて不要なのかも知れない」とある。確かにその通りなのだが、志ん朝クラスなんて片手もいない。大半の落語家は落語の衰退に危機感もなく、落語を現代に通用させる努力をしないばかりか、実は落語の魅力すら判っていない、というのが著者の弁。 その語り口は熱いが、思いだけにとどまらず的確に落語の面白さを理論化している。 落語の本質に、現代の感性から鋭く迫った一冊。落語は現代に死んでいなかった。 本書には落語界の現状に対し、辛口の評価も多く見られるのだが その奥には著者の落語に対する、深い愛情を感じずにはいられない。 この一人の天才が落語に新しい命を吹き込こんでいることをもっと多くの人知ってもらえたら、 21世紀、再び落語の時代がやってくるかもしれない。 私に落語との「運命の出会い」をさせてくれた。 |