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新リア王 下 |
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新リア王 下新潮社 価格(new/used): 1,995 円 / 800 円 より 発売日: (2005-10-26) アマゾン売上ランキング: 109429 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 4件 合田刑事新作「太陽を曳く馬」の必読テキスト「晴子情話」・「新リア王」は続編で合田刑事が出るということで入手したが、その評判からなかなか頁を開く勇気がありませんでした。新潮で連載の始まった続編「太陽を曳く馬」で実際に合田刑事が「新リア王」での福澤彰之との関わりを回想するのを読んで、やはり必読テキストと思い頁を開き、あとは一気に読了しました。「新リア王・上」は本山での岡野玲子の「ファンシィ・ダンス」の法戦式を彷彿とさせる場面で楽しめました。そして「下」に入ると、だんだん登場人物達がシェイクスピア劇のように俳優が舞台で喋っているような錯覚に陥って、榮がかわいい爺さんに思えて、わくわくしながら読んでしまいました。 ただ、「晴子情話」は「太陽を曳く馬」の第一話を読んで合田シリーズのサイドストーリーとしての意味合いを持たせてから読まないと続かなかったと思いますし、「新・リア上」も「ファンシィ・ダンス」を読んでいたから視覚的イメージが浮かんで楽しめたと思います。 高村薫の真骨頂政治家の父・榮と、宗教家の息子・彰之。シェークスピアはもとよりギリシャ悲劇の登場人物にも比肩しうる苛烈で美しく惨憺たる運命の下で、恐るべき人生を刻み続けていく福澤一族の父子。彼らの物語が鮮烈な言葉と迸るような文体によって叩きつけられ、読者はほとんど暴力的な引力で青森の茫々たる昏い雪の世界に放り込まれる。 榮と彰之の息苦しいほどに張りつめた精神、あまりにも強靭すぎる自我、執拗に粘りつくような情念の、圧倒的な重量とその密度には絶句するより他はあるまい。人間的であるということは知的であるということであった時代の思考様式には驚愕させられる。これが近代というものかと。 榮と彰之の敵は、迫り来る現代という時代であるとも読み取れる。彼らはこの得体の知れない敵に対して、近代の所産である“言葉”を武器として必死の抵抗を試みる。しかし彼らがどれほど言葉をつくして語り明かしても、彰之の息子・秋道に、それを聞くべき耳は無い。かくして父子の“言葉”は、白く虚無的な闇の中で無残にも暴力的に断ち切られる。そして、絶望の慟哭が響く。 これは近代という“言葉”の時代の終焉を物語る悲劇である。また、従来の高村作品らしさも色濃い(美貌の主人公・彰之の禁欲的で粘着質で、ある意味ヘタレな性格と行動、その代表格である合田刑事の登場、圧巻としか言い様のない緻密な状況描写)。あらゆる角度から多様な楽しみ方が可能。次回作では舞台はいよいよ現代に移る。現代を生きる現代人として心より楽しみ。 絶対を誇る王が、息子たちに反逆の芽を見出す衆議院議員のベテラン・福澤榮が、青森市内で開催されたパーティーののち、ホテルに一室に参議院議員の息子や、中央省庁の役人の甥、また自身の秘書などを集めて対話を試みる。しかし、息子たちとの意思疎通は図れず、後に自身が築いた政治王国への反逆の炎すら、くすぶっているのだった。 彰之からは、愛してもないのにその昔、交わったことのある初江と福井で再会したこと、暴力沙汰に明け暮れる実子・秋道のことが語られる。 そして最終章、福澤榮が会期中の国会を抜け出してきた有様、金庫番である英世の自死の周辺、息子・優の青森県知事出馬により自身に反旗を翻した様子が明らかにされる。そして一番最後に、非常に重要な登場人物の死が伝えられる。 青森地方特有の大家(おおやけ)と呼ばれる福澤一族は、東大入学が当たり前という家系にして、こうも人間深いのか。福澤家の物語の続編が望まれる。 なお、文中に合田がすこし顔を出す。次作への何らかの暗示なのか。 続くんですねーーーーっ!?「晴子情歌」から続く福澤家サーガ・・・ まぁ、作家には自分の好きなものを書く権利があるわけで。 新しい読者層を開拓してください。 私としては今後主人公・彰之が息子に殺されようが息子を殺そうが、 仏家の道を究めようがイスラム教に改宗しようが、もうどうでも いいです・・・ 合田雄一郎、電話でひと言出演場面あり。ほんとにひと言ですから。 電話で「合田といいます」って言うだけですから。もしかしたら 同姓の他人かもしれないですから。 かつての著者インタビューでの「次は合田が出ます」発言で期待 なさってた方、要注意!! |