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シズコさん |
| - 新潮社 価格 ¥ 1,470 | |
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シズコさん新潮社 価格(new/used): 1,470 円 / 1,200 円 より 発売日: (2008-04) アマゾン売上ランキング: 3075 位 単行本 / 通常4~5日以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 10件 血の縁ということ介護日記を読めるかと思って買ったが、実際は佐野洋子さんの母や父や兄弟に係わる自叙伝を読んでいる気分だった。確かに明治や大正の頃の昔の親は、子供、特に長女に躾の部分で厳しかったと思う。厳しいことが優しさだと思えるのに一生をかけて理解する、そんな娘のようだ。最後のほうになって、やっと介護の面が現れ始める。毎日一緒に生活していても、呆けていく事がわかるほど残酷な過程はない。母親には触れないほど嫌っていた洋子さんに変化が訪れる。母親が呆けていくのと比例して同時に母を許している洋子さんがいる。 母のことは嫌いだと豪語している洋子さんだが、各章の最後に書かれている一説一節が、母娘の関係を暖かい視線からみていることに安心するのだった。 母と娘著者と母親の関係、著者の妹と母親の関係はまるで自分の家族を見るようだった。妹と母の関係は絵に描いたような美しい母娘関係だ。でもある意味で薄っぺらい。著者と母の関係は何重にも色を塗り重ねてごつごつごてごてした油絵のようだ。美しいという言葉は当てはまらないかもしれないが母という一人の人間に対する深い理解と愛を感じる。著者は非常に繊細で感受性豊かな人だ。母が年老い、ボケて弱者となり、自分も弱いものになっていくことを自覚する過程で、母親に対して抱いていた嫌悪感のさらにその奥にあるものに出会え、母のネガティブな面も含めて深い愛情を持てるようになったのだ。 人と親との関係「シズコさん」は7人子供を生んだのだが,そのうち3人の男の子は子供のうちに死んでしまう。生き残った最年長の子供(長女)が「私」。 でも,私は,母親には愛されていなかったと考えている。父親(私が19歳のときに死亡)は,私を愛してくれてはいたが,家庭内に緊張感しかもたらさないような人間だった。そんな母は,自分の家から嫁(私の弟の妻)に追い出され,私からも老人ホームに「捨て」られる。 「私」は,過去の種々のエピソードを思い出しながら,母親との関係を見直していく。その際,「親は子供を愛しているはず。子も親を愛しているはず」という社会通念(建前)ではなく,「本当はどうだったのだろう」ということが,できるだけ克明に描写されていて,ある種,つらい本である。なぜなら,これを読んでいる私自身,両親に対してアンビバレントな感情を捨てきれずにいるから。 両親との関係が良好な人には,筆者の苦悩は理解できないと思う。そうでなかった人は,是非一読して,自分と両親との関係を見直す材料にしてもらいたい。 つらいけど,読んでよかったと思える本である。 ちょっとつらい誰でもがシクっとくることを,大股で踏みしだくように書いていく洋子節に読みながら嬉しくなりながらも,どんどん辛くなってくるのは 本人もつらいつらいと思いながら書いているからではないだろうか そこに漂う人間に向ける優しさは 大病を経ての悟り的境地とも見てとれる しっくりいかなかった母娘70歳になる著者が実母について書いた、エッセイのような物語です。 子供の頃から厳しく躾けられてきて、しっくりいっていなかった母娘の間柄を振り返りながら、現在老人ホームに入っている母を「金で捨てた」と感じている話です。しかしながら、冷淡だった態度について、恨みつらみばかり書かれているわけではなく、家事能力に長けていた母から自然と身に付いた料理や裁縫の話や、学校の宿題に対する母親の対処など、客観的に公平に見つめているようで、認め合った部分もあるように感じました。そして年老いた母の態度・娘の態度はどう変化していったのか・・・ 後半にかけて、ぐっとくるお話です。 私はこの本を読んで、著者は恵まれている方じゃないか、と感じました。家事上手で、夫を亡くした後、子供たちを皆立派に進学させて、気丈な母親だなあと思いました。母親に対してもっと苦い子供時代の体験・思い出を持つ読者も少なくないのでは、と思います。 |