停電の夜に (新潮文庫)

Jhumpa Lahiri - 新潮社 価格 ¥ 620
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停電の夜に (新潮文庫)

Jhumpa Lahiri
新潮社

価格(new/used): 620 円 / 198 円 より
発売日: (2003-02) アマゾン売上ランキング: 1740 位
文庫 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 64件

中毒になる作家さん
 「その名にちなんで」を読んでから、ジュンパ ラヒリに興味を持ち、この本を手に取りました。どの話も、さしてスリリングな展開があるわけではありません。けれど、登場人物の語り口が新たな人との出会いや別れを、鮮やかで特別な日々として浮かび上がらせてくれます。
 この短編集の中で、私が一番印象に残っている話は、「本物の門番」です。何気ない日常を切り取ることの多いこの短編集の中では、比較的しっかりした結末がある話です。また、話に移民でないインド人しか出てこないところも珍しいです。この話では、物語の最初から様々な伏線によって主人公の老女の人生が転落させられていきます。どんな辛い環境でも、柔軟に生きてきた老女が、結局は偶然の連鎖による予想ができない不幸に飲み込まれる姿は、思い出すだけで涙が出そうになります。作者の観察眼による転落劇の過程の一つ一つが、ただの悲劇以上に老女の人生の哀れを強調していて胸に残り続けます。
冴える日常の洞察力
前評判などを全く知らずに読んだ本書。

話の中に時折出てくる「日常」のふっとした瞬間と、主人公の気づきがとても新鮮な短編集。

なんでもないけれど、とても普通の日常を鋭く描いた作品だと私は思います。

通勤電車でも読みやすい短編集!!
これからも大切に読んでいきたい1冊
インド系2世アメリカ人、ジュンパ・ラヒリが、自分のルーツへ敬愛と愛情をこめた短編集。
インド系アメリカ人の物語を軸に、9つの物語で構成されているが、そのどれをとっても共通の抑制のきいた端正な文章もまた、印象的。

インド系2世同士の結婚の行く末をテーマにした第一話と、アメリカという土地で自分の道を切り開いてきた移民1世達に対するオマージュ、の第9話。この2話が特に印象的といっている人が多いようだ。個人的にも、9話めの、『3度目で第3の大陸』を非常に気にいっている。

それにしても、9つ全てに漂っているインド文化の薫りは、時にはっとさせられる
『これってアメリカで起きてることなんだ。』
って。
つまり、アメリカ文化の周縁でインド文化がこんなにも根付いているって事に気づかされる。
白人と黒人の対立構造とは違った次元でインド文化という衣を羽織って生活してる人がいるって事実に(当たり前のことかもしれないんだけど)、そしてその文化の深淵さに驚いてしまう。

そのいい例が、この本のひとつの特徴でもある料理の描写。覚えきれないくらいたくさんの香辛料を使ったインド料理は、毎日繰り返される。
それは、日々繰り返される日常であるがゆえに、
1年が365日ある分だけ、その深淵さははかりしれないものがある。おそらく、そんな風にアメリカという土地でインドの文化は根付いていったのだろう。

本当にこの本を吟味できる人達は、もしかしたらインド系移民に限られているのかもしれない。
でも、自分としては文化を紡ぐということに想いを馳せながら読むことが楽しい。
そして例えば第1話の様に、異文化で起こる夫婦間のできごとに普遍性をみた気になっていたりもする。

大学生の頃に読み、読書ってこんなに楽しいものか、と思った。
それから6年間原書、和書、ともに繰り返し読んでいる。
読むたびに心地よい。

きらきらしてる、1冊。
合わなかった。。。
観察力がものすごくて、短編でありながら、その“場”の雰囲気が自分がそこにいるかのように感じられてきます。
ですが、個人的には合わなかったかなと。翻訳の文章にも馴染みがたかった...

一つ一つ、何が起こるわけではない、でもちょっとした出来事にからむ人の心の機微、みたいなものが描かれているのですが、その出来事がとても中途半端に終わっているような、まだ、主人公たちはその出来事のなかにいるのに、その後の方向性もなしに物語が終わってしまうような感じが、どうももどかしくってなりませんでした。
そこがよさの一つなのだと思うので、やはり合わなかったということです。
ですが最後のお話はそういう意味で、中途半端でない印象を持ちました。これにはじんと来ました。

あくまで、個人的な感想です。
どなたかの参考になればと思い、レビューを書きました。
ひととひとのつながり、関係性
 なんだかよく分からないけど忙しくて時間がなかったり、「節度」として
他人に対して深く関わることを遠慮したり(たとえ相手が配偶者や子供で
あっても)して、いつの間にか人と人のつながりが希薄になってしまった。

 予め予告された「停電の夜」という非日常的な出来事をきっかけに、ある
夫婦が、自分の世界の手を止めて心のうちのちょっとした「ひっかかり」を
告白しあった。別にセンセーショナルなものでもなければ、衝撃的なもので
もない。だけど、その結果、知らぬ間に忘れていた、人と人のつかがり、絆
のようなものがふっとよみがえり、なんともいえない感情が芽生える…。
「光が絶えて、心に光が灯る」物語。

 ロマンチックであり、実用的でもある短編集です。