予告された殺人の記録 (新潮文庫)

Gabriel Garc´ia M´arquez - 新潮社 価格 ¥ 420
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予告された殺人の記録 (新潮文庫)

Gabriel Garc´ia M´arquez
新潮社

価格(new/used): 420 円 / 60 円 より
発売日: (1997-11) アマゾン売上ランキング: 5704 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 29件

音楽のような作品
村をあげての婚礼のどんちゃん騒ぎの翌朝、十分に予告され、誰もが知っていたにもかかわらず、花嫁の身内によってサンチアゴ・ナサールが惨殺されることを誰も止められなかった。
その事のあらましを、様々な村人の視点から描いた作品。

本の薄さとはうらはらに、内容は濃密です。
余分な装飾を抑えた文章で、事実を積み重ね、たたみかけてくるような迫力があります。
よく練られた、長い音楽を聴いているような感覚で、一気に読みました。

文章は難解ではなく、むしろ週刊誌の記事を読むようなわかりやすさです。
原著の力もさることながら、おそらくこれは訳者の力にも負うところが多いのだと思います。

私はこの作品からラテン文学にはまりました。
予告された殺人とは
南米の熱帯を思わせる濃密な文章。最終章に殺人の場面をもってくる構成。すべての物語が殺人へ向かって進んでいく。皆が顔見知りである、狭い地域でおこった殺人事件の記録。
舞台もそうであるが、筆力も熱い。物語の世界にぐいぐいと引き込まれました。スペイン系の名前に手こずりましたが、物語の力か、そんなの関係ありませんでした。
ノーベル賞という壮大な肩書きを持つ作者の作品の入門としては、良い作品であります。
その場にいるような錯覚
かつておきた殺人事件を被害者の友人であった「私」が関係者の話をまとめてたどっていくという話。

読んだ後に、実際にあった事件だったと知りました。ぞっとしました。
他の方も書かれているように、読んでいる間は一人の村人になったかのような錯覚ができます。読み進めるうち、小さな村に渦巻く表には見えない心の動きが感じ取れます。他の作品とつながっている部分もありマルケスの他の作品を読んだことがある人はニヤリとするでしょう。

あとがきは本編を読んだあとに読むことをお勧めします。解説がとてもわかりやすかったです。
マルケスの作品は文庫化されているのが少ないので残念です。単行本も素敵ですが、他の作品の今後の文庫化に期待。
誰もが知っていて誰一人…
この本に出会ったのは学生時代でした。
粗筋を誰かに話すと横溝正史の書いたあの独特の村社会を思いうかべるようです。
しかし、それとはまた少しニュアンスが違います。

誰もが彼らが思いとどまることを望み、彼らも誰かに止めて欲しい。
自分があの村の住人であるかのように祈るような気分で一気に読み進めました。
切羽詰った空気。
自分のまわりの時間の流れがスローモーションになるような臨場感。

百年の孤独で挫折したままの人には是非これを読んでほしい。
衝撃
初めて読んだときは衝撃を受けました。

そしてまた読み返して、また衝撃を受けました。

すばらしいです。

ある街でおこった1つの悲しい事件。それをみごとな小説に書き上げました。

短いのに突き刺さります。

そしてえぐられます。

本を読んで衝撃を受けたい人はどうぞ。