くますけと一緒に (新潮文庫)

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くますけと一緒に (新潮文庫)


新潮社

価格(new/used): -- 円 / 1 円 より
発売日: (1993-03) アマゾン売上ランキング: 876410 位
文庫 / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 5件

アダルト・チルドレンの話です
ぬいぐるみとホラーを組み合わせるという発想はよくあるパターンだが、それが物語として
成立するか、無残な茶番に終わるかは作者の技量しだいだ。新井氏はこれを見事に傑作と
することに成功している。

いつもながら作者がすごいのは、感性に流されるのではなく、しっかり客観的に書いている
ことだ。常に理性が文章をコントロールしている。それでいて充分感動できる。理性と
感性の両立がすばらしい。

結局、くますけが善か悪かはわからないまま終わるが、これで正解。正義を絶対化しない
作者の良心にも感心させられる。本作でも、また作者の技量のすごさにノックアウト
された。並の作家とは格が違う新井氏のすばらしさが堪能できる。
親になるって難しい、子供でいるって難しい
「新井素子、母性を語る」の1冊。。
これがあるから、「おしまいの日」も、
「チグリスとユーフラテス」もあるのだろう。
この作品中には、新井素子が思うところの「親子観」が満載だ。

中でも心打たれるのは、「子供は親を嫌っていいの」
「親が子供を嫌う権利は、少なくとも子供が小さい時にはないのよ」
という二つだ。「あたしなんか、いないほうがいいのだ」と
思い続けて、実の両親の前でさえ、身を硬くして
ぬいぐるみを抱きしめて、自分を守るだけだった主人公が、
初めて「子供」に戻ることができた、救いの言葉とも言える。

それにしても、新井素子作品に出てくる男性の、
女性に対する理解の深さと優しさとチャーミングさといったら。

正直に言おう。ありえない!絶対こんな人いないし!(爆笑)

ま、新井素子の、どの作品の男性を見ても、同じじゃん、と言われれば
それまでだが。

くますけはぬいぐるみだろうか…
ぬいぐるみの「くますけ」を片時も手放せない女の子の話し。
くますけと会話が出来る、くますけが守ってくれる。
現実と非現実の境界を描いた心理的ホラー作品です。

私もぬいぐるみが大好きなので、気持ちが分かるような、
でも本当だったら怖いような…複雑な気分になります。

くますけはほんとに話すのだろうか?
主人公の成美ちゃんは小学4年生だけどぬいぐるみの「くますけ」といつも一緒。
その成美ちゃんの両親が交通事故で死んでしまいます。
成美ちゃんはくますけとお話をすることができ、くますけは成美ちゃんを守るためにお母さんの友人の裕子さんにひきとられることをすすめます。

裕子さんにひきとられた成美ちゃんは両親の悪霊やくますけとの関係に悩みながらだんだんと家族になっていきます。

っていうのがおおむねの話なのですが、くますけと成美ちゃんの会話って実際には成美ちゃんが1人で話していることになっているんで少しややこしい、っていうかくますけが生きているという地の文が信用できるのかから疑ってしまいそうになる部分もあって図地反転図形みたいな感じでも読める本です。

ってち?うか初めて読んだときはなぜかそういう読み方をしました。
読み返してみたらそんなにそういう感じはしないんですけどね。
他の人はどう感じるんだろう?
面白いですよ。

くますけとなんなん。
小学校4年生の成美は、くますけといつも一緒。お母さんとお父さんが死んじゃっても、くますけがいるから大丈夫。そして、お母さんの友達、裕子さんが成美をひきとってくれました。

・・・だけど、くますけの口から、戦慄を覚えるようなある言葉が出てきてから、だんだん読み手は恐怖を感じ始めます。くますけは悪のぬいぐるみなのか・・・そして成美はどうなるのか。
私は、読みながら「くますけ怖ッ!!」と思わず口に出していました。恐怖を感じますが、最後はホッと心が温かくなりました。