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ケナリも花、サクラも花 (新潮文庫) |
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ケナリも花、サクラも花 (新潮文庫)新潮社 価格(new/used): -- 円 / 1 円 より 発売日: (1997-02) アマゾン売上ランキング: 119070 位 文庫 / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 5件 あんこのつまったタイ焼きのようなサギサワ・ワールドこの文庫やるなぁ、最初から最後まで読んでそう思わされてしまった! まず最初に告白しておく。「東南アジア人を見ると頭を下げて謝罪する日本人」の一人でした、わたくしも。 紀行文のような景観描写はない。人間、ニンゲン、にんげん・・・出会った人びとの描写で埋め尽くされている。 母国韓国には日本を凌駕するような頼もしさを求めているためか、いらだったり辛口なのであるが、それは日本人としては対岸の火事で気楽ではある。だが、あんまり過ぎると、ひょっとしてこう読むのかな、「日本人はいまぼんやりしているから機会を逃さずしっかり追い越しなさいよ」といってるのかと穿ってしまう。 ビザ申請のために韓国大使館の係官のことから始まっている。掴みがうまいと思った。 後半は留学にいたった動機。鷺沢家の人びとのルーツに関すること。はなはだ難解な一章も挿入してある。第八章「牛の一歩と小さな石ころ」。わたしには何がなんだか分からない抽象的なような文章で、前半のニンゲン描写ばっかりにバランスをとったみたいな感じだ。 そして「解 説」の執筆者名を見て驚いた。その名は「柳美里」。なぜかあり得そうでなさそうと思い込んでいたからである。ウマの合わないライバル、そんなことを勝手に思っていたからだ。柳の解説は、半分以上は自分のことを語っていたが、それがみごとに解説になっていたからスゴイ。この解説の最後の文もまた納得。いつか、一冊くらいは読んでみようかと思ったくらいだ。つまり本書は頭から尻尾まであんこがぎっしり入ったタイ焼きなのだ。 日韓クオーターの鷺沢さんが韓国に半年間留学したときの体験記。かなり体当たり的なところが多いわけですが、彼女のアイデンティティに深く関わっていることがどんどん浮き彫りにされていく。(当時の)韓国の幼稚さを嘆く言葉に真摯な態度が窺えるところが素晴らしい。悩んで悩んで、苦悩している。なんだ、この留学体験記?? いちばんショッキングな話が、韓国人にあったらまず謝ることにしている、という自称国際人がたくさんいる、という話。彼らは韓国の人に何かしたのか? てゆうか、何に対して謝っているのか? その人個人にか? その人を含んだ国全体にか? 彼らは何を許されたいんだろうか? 93年の話なので、そんな人はもういないのかもしれない。謝られた人はどういう態度を示したのか是非知りたい。 渾身説教でも提言でも落書きでもない。 作家が、出来うる限りのことをさらして、 大事なことをなんとか読者に伝えようとするドキュメント。 ここまで真剣なコミュニケーションはめったに見れない。 構成やレトリック以上に圧倒的な意志が現れている作品。 著者の心の葛藤・・著者の韓国留学経験を書いた本だったので最近、韓国に興味を持った私は とても興味を持って読んだのですが・・もっと明るく楽しく留学経験を 書かれているかと思いましたが、心の葛藤・とまどいが全体的でした。 まず知ることから私は鷺沢さんと同年代であるが、なんとなく「やばそうな感じ」だけを教えられて育った世代だ。「韓国人」「朝鮮人」という言葉を口にするだけでなぜか後ろめたいカンカクを覚えるような、そんな風潮を‘なんか変だ’とは思っていた。 そんな「すりこみ」をひとまず置いておいて、自分の目で、耳で知りたい、そう思った。 |